悲しいのにバンザイ
(2011年)
(2011年)
看護婦さんが血圧や体温を測りにやって来て言った。
「yamacさん、バンザイをして下さい。目をつぶって、バンザイをしたまま10数えて下さい」(この“バンザイ”は巡回に来るたびにやった)
ベッドに仰向けに寝たまま、手だけを上げて“バンザイ”をした。自分ではちゃんと“バンザイ”をしているつもりでも、目を開けると左手の指が曲がっていて、右手より下がっていた。
看護婦さんが「左手でグー・チョキ・パーをする様にして下さい」と言ったが、5本指を伸ばす事さえ出来なかった。右手の指で、左指をむりやり伸ばし「まっすぐ伸びろ!」と強く念じても、まっすぐに伸びず、自然にダラ~ンと曲がってしまった。自分の指なのに自由に動かない、左腕と左指に力が入らない、これは辛かった。そして、左足にも力が入らず、ベッドから降りる時と、車椅子に乗る時や降りる時に足がふらついた。左半身が完全にやられてしまった。
「隠れ脳梗塞」とは
極めて微小な脳梗塞のことで、MRI(磁気共鳴画像)で診断すると、
40代の3人に1人、50代の2人に1人、60代では8割以上の人が「隠れ脳梗塞」である。
初期の段階で、数ミリ程度の小さな梗塞が数個出現し段階を経るごとに、脳のあちこちに広がっていきます。自覚症状はなくても放っておくと本格的な脳梗塞へと発展する、このような状態を「隠れ脳梗塞」と呼んでいます。危険なのは、自覚症状があっても、普通は短時間で回復してしまい、重大な問題だと考えられていないことです。そのため放置されることが多く、重い脳梗塞に移行することが多いのです。
つづく