「駅舎内における飲食店利用者のトイレ利用行動に関する研究」レビュー
仲川ゆり、越川康夫、村川三郎、堀敏之、高津靖夫
日本建築学会計画系論文集 第614号 2007年4月 09FA030小林志乃
目的
「駅舎内のトイレ適正規模算定法」の算定基準となるトイレ到着率算定条件設定のため、この算定法に影響を及ぼす要因のひとつとして駅舎内の飲食店に着目し、飲食店利用者の特性とトイレ利用との関連性を検討する。
調査概要
調査対象駅
・改札内にトイレと複数の飲食店が所在する(飲食店利用とトイレ利用の関連付けが煩雑にならないようにするため、複数のトイレの選択肢が距離的に考えられるものは除外)
・飲食店からトイレへの追跡が可能(飲食店間近にトイレがある)
・東京都内にあり、1日の乗降者数が50万人から110万人
各駅の特徴
A駅 付近に教育施設や住宅地が多い
B駅 ターミナル駅で、長距離列車の利用者も多い
C駅 周辺に事務所ビルやホテルが多く、新幹線が停車する
各駅のトイレの数・飲食店の数・店内にトイレがある店の数
A駅 1・3・0
B駅 2・6・3
C駅 1・7・0
調査内容
・駅トイレの利用者数
・飲食店利用者と飲食店内トイレ利用者状況
飲食店利用
飲食店利用→駅トイレ利用
飲食店利用→店内トイレ利用
・飲食店における利用者行動
着席時刻、退席時刻、性別、年齢、飲食内容
結果
トイレ利用率に関係に大きく関わる要因は、男女ともに飲食店での滞留時間、グループ人数、酒類の提供であった。
男女比と年代はあまり関係しないと考えられる。
飲食店数と駅トイレ利用者数に対する飲食店利用者数は比例関係になる。また、3駅ともに女性の割合のほうが男性よりも高くなっている。
店舗の増加によりトイレの適正規模を検討する際には、男女別に利用者数の増加を検討する必要があると考えられる。
感想
女性の方がトイレを多く利用しているイメージがあったので、トイレ利用率に男女比があまり関係しないという結果におどろいた。また、飲食店での滞留時間と酒類の提供がトイレ利用率に関わるのは納得できるが、グループ人数が関係するのは一人よりもグループでいる方が店舗に長居してしまうから、ということなのだろうか。
この調査では、店舗に間近のトイレが対象であったが、休憩スペースなど店舗ではないが飲食をする可能性のある場所付近のトイレでも似たような結果が出るのではないかと思った。
一度にかかる時間は,女性>男性.
利用率というのがどういう定義かよくわからないけど
時間×回数の積分で,「占有率」の話がないと,必要器数とかはわからないよね?