山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

2024年02月07日 | 日記

  入院日記


明けやらぬ カーテン越しに 聞こゆるは
「してくれ」「何を?」「アンラクシ」

おさまりし あえぎの聲に 夜は明けぬ
おだやかなりし寝息は 冥き道中

「アンラクシ」 口走り人の 朝餉かな

あえぎの息で 悪魔の囁きが如く「アンラクシ」
若き女医の叱声は むなしからんや

永遠に続くがごと咳き込みに 
母の逝きし夜を 思い出す

啄まれし心臓を抱いて 何処に帰らん
退院の 我待つネコも 今は無き