父母のまなざし

2024年02月25日 | 日記

父母のまなざし


病室の窓から見える朝空
ぽっかりと 一つだけ
色の違う雲が 浮かんでいる

まるで 自分と対峙するように
こちらを のぞき込んでいる

私が それに気付くと
その雲は 逃れるように 東の方へ
紅みを増しながら
やがてそれも薄くなり 消えてしまった

追っていた目を戻すと
自分の正面に ふたたび同じ雲が
姿を顕し始めている

昨夜 遅れた手術を終えて
今朝は 追い出されるように
退院する