山之上もぐらの詩集

山之上もぐらの詩集

風に吹かれて

2025年01月14日 | 日記

風に吹かれて

風の中に 答えは無かった
道は遠く 海は広く
数えるものでもなく
歩いたり 白い鳩が飛んで渡れるものでもなかった
白い鳩は とっくに砂の中で骨になってる
男と呼ばれようが呼ばれまいが 知ったことではない
誰も 俺を呼びはしないのだ

飛び交う砲弾はまだまだ足りないし
爆弾もミサイルも足りない
山は街とともに海に流され 海はゴミの山に埋められる
俺に 友よなんぞと呼びかけるな
俺たちは とっくに自由だったし
これ以上自由にもなれないのだ

見ない振りをしないで
俺たちは 風の中に答えが無いのを見てきた
俺たちは 何度も空を見上げて
風の中に 答えが無いのを確かめてきた
子供の泣き声を聞くのに 幾つもの耳は要らない
片方の耳でさえ 聞くに耐えられぬ

飛び交う砲弾はまだまだ足りない
爆弾もミサイルも足りない
泣き声もまだまだ足りない
人の死もまだまだ足りない
風の中に 答えは無い



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