A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

左手のリードが、よりよい”Swing”を生む

2008-04-11 | CONCORD
Giant Strides / Dave Mackenna

良いスイングをするにはバランスが大事だ。
力を抜いて重心を低くし、右腰に乗りながら肩を回し、トップから「左手リード」で体の軸で回転する。
これができると、不思議なくらいテンポ良く絶妙のリズムで体重移動ができて真っ直ぐなボールが空高く飛んでいく。
これは、ゴルフの基本だ。

ジャズピアノの基本も左手の使い方が命だと思う。
ピアノがリズムセクション一員からメロディーを奏でる役割になった時、右手がだんだん主役になっていった。もちろん左手のアクセントは重要だが、左手がリードしていたリズム、そしてジャズ特有のビートはベースやドラムに果たしてもらうことが多くなった。
ところが、ベースやドラムのリズムが居なくなり、ましてピアノ一人でソロを弾く事になると、俄然この左手の使い方が重要になってくる。
この前に聴いた”No Base Hit”がまさにそのようなアルバムだ。
マッケンナ、ハミルトン、ハナが対等のような印象を受けるが、改めて聴き直して見るとこれはやはりマッケンナが主役のアルバムだろう。よく見るとボールの名前の順序もそうなっている。

このマッケンナが、前作に続いて今度はソロプレーを繰り広げている。スタンダード中心に、自作のブルースも。
“Giant Strides”のタイトルどおり、左のリズムの利いたストライドピアノをたっぷり聴かせてくれる。低音域を流れるように駆け巡る左手の動きから繰り出されるリズムは”Giant”にふさわしい。絶妙のビート感と迫力だ。アップテンポはもちろんのこと、スローな曲でもスイング感が生きているところが本物だ。

Saloon Pianoといわれる世界があるそうだ。よくカクテルラウンジのような所で、ソロピアノをやっている。大体は、スローなバラード主体でロマンチックな雰囲気に良く似合う演奏だ。カクテルピアノともいわれるものだ。
このマッケンナも、そのSaloon Pianoの世界での演奏暦が長かったそうだ。それ故、ソロピアノはお手の物なのであろう。このリズム感だと会場の雰囲気も曲によっては一変したであろう。左手リードの鋭いスイング感で。

1. If Dreams Come True          Goodman, Mills, Sampson 3:36
2. Yardbird Suite               Parker 2:53
3. Windsong                  Wilber 2:45
4. Dave's Blues                McKenna 6:05
5. I've Got the World on a String     Arlen, Koehler 4:53
6. Love Letters                Heyman, Young 3:12
7. Cherry                    Gilbert, Redman 5:03
8. Lulu's Back in Town            Dubin, Warren 4:48
9. Walkin' My Baby Back Home       Ahlert, Turk 4:51
10. The Underdog               Cohn, Frishberg 3:58

Dave McKenna (p)

Produced by Frank Domitie
Recorded at Coast Recordings , San Francisco , CA May 1979
Originally released on Concord CJ-99

Giant Strides
Dave McKenna
Concord Jazz

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