A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

バップボーカリストが勢ぞろいすれば・・・自ずと過去の名演が名唱に。

2008-04-30 | MY FAVORITE ALBUM
King Pleasure Sings / Annie Ross Sings

バップボーカルといえばジョンヘンドリックスが有名だが、このキングプレジャーもその一人。彼がいくつかのセッションで他のボーカリストとの共演したのを集めたのがこのアルバム。
録音の時期もちょうど1952年~1954年にかけて。Bopの名演が残された直後。
バップボーカルがどんなアプローチをしていたのか、そしてその後LH&Rが生まれていった経緯が良く分かる。
バップボーカルの特徴のひとつはヴォーカリーズ。ヴォーカリーズといえば、エディージェファーソンが確立したひとつの歌唱法。有名な楽器の演奏(ソロやアドリブ)を、口ずさむだけならまだしも、歌詞をつけて歌にしてしまうとは大した発想だ。作詞が得意なジョンヘンドリックスも得意としている技だ。

このアルバムでは、キングプレジャーを中心として、ジョンヘンドリックスはもちろん、始祖のエディージェファーソン、LHR結成前のランバートシンガースとの共演も聴ける。おまけに、CDではLH&R結成前のアーニーロスの歌も収めされている。珍しいセッションが集められたアルバムだ。
1~12が、そのキングプレジャーのセッション。
それに13~16に、アーニーロスのセッションが加えられている。

1. Red Top
2. Jumpin’ with Symphony Sid

 Charlie Ferguson (ts)
 Eddie Lewis (tp)
 Ed Swanston (p)
 Peck Morrison (b)
 Herbie Lovelle (ds)
 Betty Carter (vol) (on#1)
  Recorded in New York City,December 12,1952

最初の2曲は女性シンガーのベティーカーターが加わる。プレジャーとのDuoが聴ける。

3. Sometimes Happy
4. This Is Always
5. What Can I Say
6. Parker’s Mood

 John Lewis (p)
 Percy Heath (b)
 Kenny Clark (ds)
 The Dave Lambert Singers (#3&4 only)
  Recorded in New York City, September 29,1953

続く2曲はデイブランバートシンガースとの共演。LH&Rの誕生を予感させる。バック
のピアノトリオは、ジョンルイス、パーシーヒース、それにソニークラークという豪
華メンバー。ロスのファーストアルバムが、MJQとの共演だったので、この組み合わ
せも不思議ではない。
5,6は、コーラスが抜けて、プレジャーのソロボーカル。ジョンルイスのリリカルなピアノが光る・

7. Don’t Get Scared
8. I’m Gone
9. You’re Crying
10. Funk Junction

 Lucky Thompson (ts)
 J.J Johnson, Kai Winding (tb)
 Danny Bank (tp)
 Jimmy Jones (p)
 Paul Chambers (b)
 Joe Harris (ds)
 Eddie Jefferson (#7,8only)
 The Three Riffs (#8)
 
 Arranged by Quincy Jones
  Recorded in Hackensack , NJ,December 7,1954

この4曲は、クインシージョーンズのアレンジ。クインシーがライオネルハンプトンのオーケストラを辞めてアレンジで小遣い稼ぎをしていた頃だ。バックのコーラスはThe Three Riffs。
7,8では、エディージェファーソン自らも加わって、ムードはすっかりバップボーカルとヴォーカリーズの世界に。

11. I’m In The Mood For Love
12. Exclametion Blues

 Merrill Stepter (tp)
 Lem Davis (as)
 Ray Abrams (ts)
 Cecil Payne (bs)
 Teacho Wiltshire (p)
 Leonard Gaskin (b)
 Teddy Dearie (ds)
 Blossom Dearie (vol) (#only 10)
  Recorded in New York City, February 19,1952

11.には、ブロッサムディアリーが参加しているが、彼女もボーカリーズにチャレンジしていた。

13. Twisted
14. Farmer’s Market
15. The Time Was Right
16. Aniie’s Lament

 Annie Ross (vol)
 Teacho Wiltshire (p)
 George Wallinton (p)
 Ram Ramirez (org)
 Percy Heath (b)
 Art Blakey (ds)
  Recorded in New York City, October 9,1952

アーニーロスのバックを努めるのは、オルガンにピアノトリオが加わった実にグルービーなバックだ。ドラムにはアートプレーキーが加わっている。ロスもイギリスから来てから間もない頃だが、13.はワーデルグレイのソロを実にうまくヴォーカリーズしている、彼女の出世作だ。

コメント
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