A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

今回の対戦相手は・・・

2011-12-06 | CONCORD
Interplay / Cal Collins & Herb Ellis

“Interplay”、良く聞く言葉だし、2人が舞台に上ればどのような演奏になるかは大体察しがつく。ジャケットの裏には「ジャズフェスティバルのディレクターは、格闘技のファイトプロモーターのように地方の隠れた逸材を見つけてきては、ファンの興味をそそるようなマッチを作り、その後何年も語り継がれるような何かをその2人に与える」と始まる。
たしかにその通りだと思うのだが、単に大物を集めて並べて舞台に立たせればそれなりに話題になり後世に記録として残すことができる。しかし、果たして歴史に残る名演がそれほど安易に生まれるものでもあるまい。やはり、「何か」が必要だ。

Concordのオーナーであり、プロデューサーのカールジェファーソンは最初から拘りを持って対戦相手を選んでいた。まずはギタリストであること。そして対戦場所。ConcordレーベルはConcord Jazz Festivalのライブ録音から始まったようにライブへの拘りは強い。ジャズフェスティバルでの対戦はやり直しのきかない一発勝負であり、聴衆を前に聴衆をそれなりに盛り上げなければならない。演奏する方もやはり通常のレコーディング以上に気を使うものだろう。

今回の対戦、ハーブエリスとカルコリンズはこの伝統あるConcordのギター対戦だ。どちらもすでにConcordレーベルでは有名になってはいたが、ハーブエリスはこの企画の最初からのプレーヤー、百戦錬磨の戦いを経験しており戦い方も熟知している。相手は何もギターだけではない。前回のモンティーのアルバムのようにピアノでもよし、3人で三つ巴の戦い方も知っている。一方のカルコリンズは、色々なセッションに参加して、海外にも遠征し、自分のトリオやカルテットでの演奏もある。そして歌伴もこなしているが、コンコルドの十八番のギター対決は始めてである。さてどうなるか?

プロデューサーの腕の見せ所はここからだ。2人の介添え役として、ベースのレイブラウンとドラムのジェイクハナはベストチョイスだろう。コンコルドの音楽ディレクターを務めていたレイブラウンは、ジェファーソンの意図をしっかり理解していただろうし、2人のプレーを引き出すためのベースプレーヤーとしても余人をもって代え難い。ジェイクハナは、ハウスドラマー兼スカウト役として全体の纏め役としてはうってつけだ。これで4人はきっちり纏まった。
そして、舞台に立った一曲目に何を弾かせて聴衆を惹き付けるか。これを間違えるといい結果に結びつかないのは想像できる。彼らが選んだのはベサメムーチョ。ベースでイントロが始まるとすぐにギターが加わる。テンポも良くリズムもいくつかのパターンで。これでウォーミングアップ完了、無事離陸できた。後は快調な飛行だ。レコーディングをしていることを意識して、「まだB面の途中。まだ演奏は続くよ」とジョークも飛び出す。I GAT IT BADで、バラードプレーで締めた後は、ライムハウスブルースで2人インタープレーは絶好調に。リズムセクションも入り難いのかリズム無しで2人のプレーが続き、無事フィニッシュ。2人の掛け合いには「何か」がある。
初対戦であったが、無事タイトルどおりの演奏で終えることができた。マッチメーカーのジェファーソンも一安心という所だろう。ベニーグッドマングループで大舞台はいくつも経験したコリンズも、エリスとの初舞台は違った緊張があったに違いない。

1. Besame Mucho              Skylar, Velazquez 7:52
2. I'll Be Seeing You            Fain, Kahal 5:49
3. People Will Say We're in Love    Hammerstein, Rodgers 4:36
4. That's Your Head            Collins 5:59
5. Tricia's Fantasy             Mariam, Negri 4:09
6. I Got It Bad (And That Ain'tGood)  Ellington, Webster 6:46
7. Limehouse Blues            Braham, Furber 3:22

Cal Collins Guitar
Herb Ellis Guitar
Ray Brown Bass
Jake Hanna Drums

Carl Jefferson Producer
Phil Edwards Engineer
Recorded live at Concord Jazz Festival 1980
Originally released on Concord CJ-137


Interplay
Cal Collin & Herb Ellis
Concord Records
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