A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ウェストコーストの老舗グループの録音に飛び入り参加したおかげで・・・

2012-05-07 | PEPPER ADAMS
In The Solo Spotlight! / Howard Rumsey’s Lighthouse All Stars

ロスアンジェルス空港のすぐ南、ハモサビーチにLIGHTHOUSE というCAFÉがある。ダウンタウンからも遠く、ハリウッドからも離れていたが、ここがウェストコーストジャズの全盛期に若いジャズファンが集まるメッカであった有名なライトハウスである。
今でもライブをやっているようだが、当時は西海岸を代表するライブハウスで地元のスタジオミュージシャンが毎夜集まってはジャムセッションを繰り広げていた場所だった。

そこを取り仕切っていたのがベースのハワードラムゼイ。彼が率いるライトハウスオールスターズの名前でアルバムも多く残されているが、西海岸を代表するミュージシャンの多くが一度はこのオールスターに加わっていた。
彼らは時にはロスを訪れるミュージシャンとも他流試合を繰り広げていた。先日紹介したリーモーガンとの競演もその一例だ。アレンジ重視のウェストコーストジャズではあるが、ここでの演奏はソロを重視した熱っぽい演奏が多い。

このライトハウスがオープンしたのは1949年。スタンケントンオーケストラのベーシストであったハワードラムゼイが、ビッグバンドでの演奏に飽きて、自分のグループを編成しようと思っている時に、たまたまこのライトハウスの前を通りかかった。
そこのオーナであるジョンレビンから買ったばかりの場所を一杯にする術を尋ねられので、ラムゼイはできる限り大きな音を出せるミュージシャンを集め、入口のドアを開け放して演奏を始めた。するとすぐにお客で溢れるようになり、ラムゼイとそのグループのメンバーはめでたくライトハウスの専属として雇われることになったのが歴史の始まりだそうだ。

ラムゼイの拘りはソロを大事にすること。残されたアルバムの中に、改めてソロにスポットライトを当てたアルバムがある。録音は54年のセッションと57年のセッションの2つに別れている。このライトハウスオールスターズも時代によってメンバーの変遷があるので、メンバーはがらりと替わっている。
57年の録音のメンバーの中に何故かペッパーアダムスの名前がある。よく見るとサックスセクションはアルトがレニーニーハウスでテナーがリッチーカムカ。直前までスタンケントンのオーケストラで一緒にツアーに加わっていたメンバーと一緒だ。アダムスの記録でもレニーニーハウスの録音に付き合うとあるので、ニーハウスに誘われたのかもしれない。アルバムではニーハウスとカムカにはしっかりソロの曲が割り当てられているが、残念ながらアダムスのソロは無い。新参者には出番が無かった。

アダムスは、この録音の前日には先日紹介したボブキーンのアルバムの収録。たまたまどちらもソリストに順番にスポットライトを当てつつきっちりアレンジを施したアルバムを作っていたとは偶然とはいえ両リーダーとも同じようなことを考えていたのかもしれない。

アダムスの第一期のロスの滞在は4ヶ月足らずであったが、このライトハウスオールスターズ、ショーティーロジャーズ、そしてデイブペルとウェストコーストを代表するグループのアルバム作りに軒並み参加して名を売った。これもスタンケントンオーケストラ卒業の看板と、卒業生同士の繋がりの強さの証かも知れない。その年のダウンビート誌の新人賞を獲得できたのも、この期間の活躍があったからだであろう。



1. Funny Frank
2. That’s Rich
3. If You Are There
4. Stan
5. Coop
6. S&B
7. Claude
8. Concerto For Doghouse
9. Bud

Stu Williams (tp)
Bob Cooper (ts)
Bud Shank (as)
Bob Enevoldsen (vtb)
Bob Gordon (bs)
Claude Williamson (p)
Howard Rumsey (b)
Stan Levey (ds)

Recorded in Los Angels on August 17, 1954
Engineer : John Palladino

Conte Candoli (tp)
Frank Rosolino (tb)
Richie Kamuca (ts)
Lennie Niehaus (as)
Pepper Adams (bs)
Dick Shreve (p)
Howerd Ramsey (b)
Stan levey (ds)

Recorded at Contemporary Studio’s Studio in Los Angels on March 12, 1957
Engineer : Roy DuNann

Produced by Lester Koenig


In the Solo Spotlight
Howard Rumsey
Ojc
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