A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

イギリス生まれの2人がデュオで演奏すると・・・

2012-05-29 | CONCORD
Alone Together / Marian McPartland & George Shearing

コンコルドレーベルのカールジェファーソンは、ギタリストの大物を次から次へと集めたが、ピアニストというとそうでもない。よく起用されたピアニストというと、デイブマッケンナとかロストンプキンス。どちらも主役のタイプではない。ソロもバックもこなすよくスイングする巧者だがタイプは名脇役だ。
そんな中、マリアンマクパートランド、そしてジョージシアリングが相次いでコンコルドに登場した。後にピアノのアルバムは多くなったが、この2人が魁であろう。

この2人は奇しくも出身地がイギリス。2人とも若くして活動の場をアメリカに移していたが、彼らのDNAはやはりイギリスなのかクールであり実直なプレーが特徴だ。
シアリングもコンコルドではベースのブライアトーフとの対話を楽しむことが多かったし、マクパートランドも自分のラジオ番組にゲストを迎えての共演を楽しんでいた。
その2人のDUOはどのようなコラボレーションになるか・・・・。

ライナーノーツの冒頭に、自分たちの演奏のプレーバックを聴く時に、2人の会話は紅茶の入れ方談義で盛り上がったとの紹介がある。
以前から2人は同郷というだけでなく、お互いに良く知っている間柄であり、一緒に演奏もした仲だったそうだ。良く知った仲だからこそ、お互いを知ってリラックスした演奏もできるし、反対に緊張感を持った演奏もできる。
お互いに格式と伝統を重んじる英国の出身、紅茶の入れ方ひとつでも拘りと形があるように、2人の演奏も破天荒になることは無い。ある種の形式や伝統を重んじ、自分が主役を演じるときは控えめに、そして脇に退くときも相手を思いやる気持ちを忘れないプレースタイルだ。

2人で始める最初の曲が、ジョビンの曲というのも意表をつく。続くビルエバンスに捧げるシアリングの曲はマクパートランドへのプレゼント。タイトル曲のアロントゥギャザーは左手のベースラインがバッハの曲を想い起こさせる。そして最後は、カールジェファーソンをテーマにしたフリーインプロビゼーション。他はスタンダードが多いが、それぞれの曲に対する2人のコメントがライナーノーツに続く。

先日の、何かのアルバムでライナーノーツにプレーヤーのコメントが書かれていたのが気になった。演奏を聴いて自分なりの印象を持ち想いを馳せるのもいいが、プレーヤーの想いも聞いてみたい気になることがある。プレーヤーのコメントというものは評論家のコメントと違って、アルバムや演奏した曲への演奏者の想いが具体的に分かるので聴く方にとってはより深い理解のためには参考になることが多い。
ピアノのデュオという新しい領域、そしてイギリス生まれの2人のミュージシャンのコラボ、ジェファーソン色の強かったコンコルドレーベルもここに来て従来路線から徐々に舵が切られてくる。

1. O Grande Amor       DeMoraes, Jobim 3:29
2. To Bill Evans        Shearing 2:24
3. All Through the Night    Porter 3:46
4. Born to Be Blue       Torme, Wells 4:21
5. They Say It's Spring     Haymes 4:53
6. Alone Together       Dietz, Schwartz 4:14
7. There'll Be Other Times   McPartland 4:49
8. Nobody Else But Me      Hammerstein, Kern 3:13
9. Chasing Shadows       Davis, Silver 5:09
10. Improvisation on a Theme by Carl Edson Jefferson  McPartland, Shearing 2:32

Marian McPartland (p)
George Shearing (p)

Recorded at Soundmixers, New York City, March 1981
Produced by Carl Jefferson
Engineer ; Phil Edwards
Originally released on Concord CJ-171
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