A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ラテンジャズの立役者プエンテのコンコルドデビューはグラミー受賞作・・・

2014-07-14 | CONCORD
On Broadway / Tito Puente and His Latin Ensemble

所有盤のCDのジャケットを見るとGrammy Winnerの文字が・・・・。
念のために調べてみると、このアルバムが1983年のグラミーのBest Tropical Latin Performanceを受賞している。プエンテはConcordには初登場だが、いきなりグラミー受賞とは、本人ばかりではなくオーナーのカールジェファーソンも鼻高々であったと思う。

さてラテン系のアルバムとなると、なかなか勝手が分からずどこから紹介したらよいものかいつも迷うが、まずはプロファイルから。
このプエンテはヒスパニック系の移民の子供としてニューヨーク、マンハッタン生まれのアメリカ育ち。ラテンの血が流れているとはいえ中南米生まれではない。ラテン一筋で活動してきたが、パーカッショニストとしてデビュー後、ジュリアードで作編曲も学ぶ。オールラウンドプレーヤーとしての始まりは1948年に25歳で自己のグループを結成した時に遡る。
ボサノバ、ブーガルーとラテンミュージックの流行を確実に追い続けてきたが、ちょうどこのアルバムを録音したころからラテンジャズの世界に演奏の軸足を動かしていった。

まさに、ラテンとジャズの融合を狙ったConcord Picanteにはピッタリのミュージシャンということになる。

ティンパレスを単なる裏方打楽器から、最近よくステージで見られるようにパフォーマンスを含めて表舞台に引き出したミュージシャンとしても有名だ。演奏中ちょと口を開けて、舌を出す表情も個性的だ。



打楽器を本業とするミュージシャンは、リズム感は天性の物を持ち合わせているのは当たり前だが、さらに歌心を持っているとメロディ楽器を演奏し、作曲も得意とするミュージシャンがいる。ビッグバンドドラマーとして有名なルイベルソンも曲作りを得意としていた。またラリーバンカーのように、ドラムだけでなくヴァイブを得意とするミュージシャンもいる。プエンテもヴァイブを得意としているが、歌心のある打楽器奏者は自然のその歌心が何を演奏しても現れてくるものだ。

編曲も得意とするプエンテは、管楽器をフロントラインに配してアンサンブルワークやソロではジャジーな演奏を行い、バックのリズムは強烈なラテンビートを売りにするラージコンボを率いていた。このアルバムでも、バイオリンを加えた10人編成で軽快なリズムの中に分厚いアンサンブルが特徴だ。昨今のラテンジャズグループは、大なり小なりこのプエンテのラテンアンサンブルの影響を受けてきたのだろう。

このアルバムではジャズを意識してか、選曲もエリントンのSophisticated Ladyがあり、フレディーハバートのFirst Lightありで普通のラテン物とは一味違ったアプローチである。モンティーアレキサンダーのMaria Cervantesもご機嫌だ。ラテン物は単調に感じることが多いが、初アルバムという事もあってかバラエティーに富んでいる。プエンテのラテンは踊りのための音楽ではなく聴かせるための音楽だ。

プエンテのラストアルバムであるMambo Birdlandはビッグバンド編成。これもグラミーを受賞するが、このアルバムを作ってから更に20年近く、亡くなる直前まで生涯現役で通した。
ラテンジャズの先駆者であったプエンテはそれまでも多くのアルバムを残してきたが、きっとベテラン再生を得意とするConcordで更にステップアップしていったのだと思う。
この後も、多くのアルバムをコンコルドに残している。



1. T.P.'s Especial                    Tito Puente 5:04
2. Sophisticated Lady    Duke Ellington / Irving Mills / Mitchell Parish 5:16
3. Bluesette               Norman Gimbel / Toots Thielemans 5:14
4. Soul Song                      Milton Nascimento 6:49
5. On Broadway   Jerry Leiber / Barry Mann / Mike Stoller / Cynthia Weil 8:03
6. Maria Cervantes (A Novo Morales          ) Monty Alexander 5:04
7. Jo-Je-Ti                          Tito Puente 4:45
8. First Light                      Freddie Hubbard 7:36

Tito Puente (vibes, timbales, percussion)
Jorge Dalto (p)
Alfredo De La Fe (violin)
Jimmy Frisaura (tp,tb)
Jerry Gonzales (Congas, flugelhorn)
Ray Gonzales (tp)
Edgardo Miranda (g,Cuatro)
Mario Rivera (ts,ss,fl)
Bobby Rodriguez (Fender bass)
Johnny Rodriguez (Bongos, percussion)

Produced by Carl Jefferson
Engineer : Ed Trabanco
Recorded at Soundmixers, New York, NY, July 1982

Originally released on Concord CJ-207(所有盤はCD)


On Broadway
Tito Puente
Concord Records
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