Tell In The Way It Is! / Paul Gonsalves
1960年代のインパルスレーベルというとジョンコルトレーンを筆頭に時代を先取りしたミュージシャンのアルバムで有名だ。ジャズ喫茶でよく聴いたのはこのようなアルバムだったが、そのカタログの中にはベニーカーターやアールハインズといったスイング系や中間派の巨匠のアルバムも多く混ざっている。メジャーならではの新旧取り混ぜた、豪華なラインアップであったということだ。
このポールゴンザルベスのアルバムは、名盤揃いのインパルスの中ではマイナーなアルバムであろう。1950年以来亡くなるまでエリントンオーケストラで生涯の大半を過ごしたゴンザルベスは、オーケストラを離れてのレコーディングというと、それほど多くは無い。インパルスでのもう一枚のアルバムはソニースティットとの共演であったが、これはエリントニアンといわれる普段の仲間達に囲まれての演奏である。普段のエリントンサウンドが楽しめる。
コンボ編成になってもベイシーオーケストラのサウンドを引き継ぐ鍵がギターのフレディーグリーンであったが、エリントニアンのサウンドは、ジョニーホッジスのリードアルトと管のミュートプレーが鍵だと思う。ホッジスの陰で目立たないゴンザルベスであるが、このゴンザルベスやハーリーカーネイなどもエリントンサウンドには欠かせないメンバー達であった。
このようなメンバーが揃った中で、ひとつ特徴的なのはピアノのウォルタービショップの参加だろう。ドラムやベースもスイング派であるが、このピアノのウォルタービショップだけはモダン派のピアノで異質であり、水と油にならないかとも思ったが・・・。
60年代の初めというとジャズロック的なサウンドが流行り出した頃。ブルーノートのアルバムでも、多くのアルバムにサイドワインダー風の曲が一曲は入り始めていた。
このアルバムも、最初の曲はいきなりそのような一曲、ビショップのオリジナルのブルースだ。ファンキーなピアノのイントロ、ソロが実に良く似合う。これだけで、ビショップの加わった意図は分かる。肝心なゴンザルベスはソロに入ると、我関せずといった感じでいつものゴンザルベス節を聴かせてくれる。ゴンザルベスにとっては4ビートもジャズロックもあまり関係ないようだ。
2曲目以降は、エリントンでの仲間に囲まれいつものエリントンサウンドに転じる。曲もエリントンナンバー、ホッジスのアルトのリードとソロもいつものとおり。レイナンスとエリクソンのミュートトランペットの掛け合いも手慣れたもの。そして、最後はゴンザルベスのワンホーンで朗々とスタンダード曲を謳い上げる。
もちろん、主役のゴンザルベスはどの曲でもソロをとっているが、実は裏に隠れて活躍しているのがビショップのピアノ。スインギーなピアノがバックであれ、ソロであれ実に効果的。そして、ゴンザルベスのテナーとの相性も抜群だ。
やはり、このアルバムにビショップが加わった意味は大きかったように思う。単にベテラン達の同窓会や懐メロ大会にならないところが、インパルスのアルバムの良さであろう。
Paul Gonsalves (ts)
Johnny Hodges (as)
Rolf Ericson (tp)
Ray Nance (tp,violin)
Walter Bishop, Jr. (p)
Ernie Shepard (b,vo)
Osie Johnson (ds)
Produced by Bob Thiele
Engineer : Bob Simpson
Recorded in New York on September 24 1963
1960年代のインパルスレーベルというとジョンコルトレーンを筆頭に時代を先取りしたミュージシャンのアルバムで有名だ。ジャズ喫茶でよく聴いたのはこのようなアルバムだったが、そのカタログの中にはベニーカーターやアールハインズといったスイング系や中間派の巨匠のアルバムも多く混ざっている。メジャーならではの新旧取り混ぜた、豪華なラインアップであったということだ。
このポールゴンザルベスのアルバムは、名盤揃いのインパルスの中ではマイナーなアルバムであろう。1950年以来亡くなるまでエリントンオーケストラで生涯の大半を過ごしたゴンザルベスは、オーケストラを離れてのレコーディングというと、それほど多くは無い。インパルスでのもう一枚のアルバムはソニースティットとの共演であったが、これはエリントニアンといわれる普段の仲間達に囲まれての演奏である。普段のエリントンサウンドが楽しめる。
コンボ編成になってもベイシーオーケストラのサウンドを引き継ぐ鍵がギターのフレディーグリーンであったが、エリントニアンのサウンドは、ジョニーホッジスのリードアルトと管のミュートプレーが鍵だと思う。ホッジスの陰で目立たないゴンザルベスであるが、このゴンザルベスやハーリーカーネイなどもエリントンサウンドには欠かせないメンバー達であった。
このようなメンバーが揃った中で、ひとつ特徴的なのはピアノのウォルタービショップの参加だろう。ドラムやベースもスイング派であるが、このピアノのウォルタービショップだけはモダン派のピアノで異質であり、水と油にならないかとも思ったが・・・。
60年代の初めというとジャズロック的なサウンドが流行り出した頃。ブルーノートのアルバムでも、多くのアルバムにサイドワインダー風の曲が一曲は入り始めていた。
このアルバムも、最初の曲はいきなりそのような一曲、ビショップのオリジナルのブルースだ。ファンキーなピアノのイントロ、ソロが実に良く似合う。これだけで、ビショップの加わった意図は分かる。肝心なゴンザルベスはソロに入ると、我関せずといった感じでいつものゴンザルベス節を聴かせてくれる。ゴンザルベスにとっては4ビートもジャズロックもあまり関係ないようだ。
2曲目以降は、エリントンでの仲間に囲まれいつものエリントンサウンドに転じる。曲もエリントンナンバー、ホッジスのアルトのリードとソロもいつものとおり。レイナンスとエリクソンのミュートトランペットの掛け合いも手慣れたもの。そして、最後はゴンザルベスのワンホーンで朗々とスタンダード曲を謳い上げる。
もちろん、主役のゴンザルベスはどの曲でもソロをとっているが、実は裏に隠れて活躍しているのがビショップのピアノ。スインギーなピアノがバックであれ、ソロであれ実に効果的。そして、ゴンザルベスのテナーとの相性も抜群だ。
やはり、このアルバムにビショップが加わった意味は大きかったように思う。単にベテラン達の同窓会や懐メロ大会にならないところが、インパルスのアルバムの良さであろう。
Paul Gonsalves (ts)
Johnny Hodges (as)
Rolf Ericson (tp)
Ray Nance (tp,violin)
Walter Bishop, Jr. (p)
Ernie Shepard (b,vo)
Osie Johnson (ds)
Produced by Bob Thiele
Engineer : Bob Simpson
Recorded in New York on September 24 1963
テル・イット・ザ・ウェイ・イット・イズ | |
ポール・ゴンサルヴェス,ジョニー・ホッジス,レイ・ナンス,ロルフ・エリクソン,ウォルター・ビショップJr.,アーニー・シェパード,オシー・ジョンソン | |
ユニバーサル ミュージック |