Straight on Till Morning / Butch Miles
ベイシーオーケストラに在籍したメンバー達が自分のアルバムを作ることになると、どうしても日頃身に付いたベイシーサウンドが気になる。聴く方のファンもそれを期待してしまうことが多い。
一方で、ベイシーサウンドを知り尽くしたメンバーが、ベイシースタイルの演奏をするバンドに加わると、バンド全体のスイング感が変る。何かベイシーのスイング感には独特なDNAのようなものがあるのかもしれない。
今回もベイシーオーケストラの一員として参加しているアルトのマーシャルマクドナルドがバイソン片山のビッグバンドに、デニスマッケルがベイシーサウンドオーケストラに加わったライブがあったが、いずれもDNAを持ったゲスト効果が表れていたように思う。
70年代から80年代にかけてのベイシーオーケストラで活躍したドラムのブッチマイルス。一昨年のベイシーオーケストラの来日時ゲスト参加していた。久々の古巣でのプレーであったがツボを押さえたドラミングは流石であった。
今回のベイシーオーケストラのメンバーの中ではテナーのダグローレンスが目立ったので彼のアルバムでも聴きたいと思ったが、リーダーアルバムは残念ながら手持ちがない。(というより知らないという方が正しい。今度探してみようと思うが)。何か手持ちのアルバムで参加したものがないかと探したら、ブッチマイルスがリーダーを務めたこのアルバムがあった。
ライナーノーツもあまりじっくり読んだ記憶が無かったが、今回読み返してみるとこのセッションはなかなか面白いプロジェクトだったようだ。
ブッチマイルスは、ベイシーオーケストラ時代はスインギーでダイナミックなドラミングを聴かせてくれた。このプロジェクトでは敢えて慣れ親しんだベイシーサウンドから離れた演奏にチャレンジしようと思い立ってそうだ。
とはいっても、もちろんベイシーオーケシトラを離れてもドラミングの基本は変わらない。モーダルな演奏やフリーをやろうと訳ではないので、バップオリエンテッドであり、時にはラテンの味付けをしたストレードアヘッドなスイングジャズという事になる。
もちろん自分一人ではできないので、友人達に声を掛けると皆主旨に賛同してくれてこのアルバムが生まれた。その中にテナーのダグローレンスが加わっていたということになる。メンバーはローレンス以外にも一緒にベイシーで一緒だった仲間が多い。フロントは彼のテナーにトランペットとトロンボーンを加えた3管編成。特にトランペットのボブオヘーダは作編曲も協力してくれた。曲によってはベイシーオーケストラの重鎮であったフランクウェスがテナーと、フルートで参加している。ローレンスと2人のテナーバトルも楽しめるという編成だ。
曲はスタンダードもあるが、オリジナル曲も加えてオリジナリティーを出している。
ベイシーナンバーからは唯一キュート。この曲はベイシーでもドラムのブラッシングをフィーチャーしているが、ここでもマイルス自身のアレンジでベースをフィーチャーする試みとなった。
一曲目のHangover Blues。同名の曲が野口久和ビッグバンドのレパートリーにもあるが、こちらはオヘーダの曲。二日酔いのブルースといった雰囲気はどちらも同じだ。続く曲も狙いどおりどの曲もハードパップオリエンテッドな演奏だ。マイルスのドラムも多少モダンな感じはするが、確実にビートを刻む切れの良いドラミングは変らない。
7曲目のA flower in a lovesome thingで雰囲気が変る。ピアノのケニードリューJr.のトリオの演奏だが、このドリューのピアノの参加がグループ全体の雰囲気を新しい感じにしているかもしれない。
以前聴いた時は、ブッチマイルスも最近は少し新しいスタイルになった位に思っていたが、意図的に演奏したハードバップスタイルも悪くはない。
1. Hangover Blues Ojeda 3:45
2. Another Drum Thing Ojeda 4:56
3. Frank's Blues Ojeda 4:23
4. Cute Hefti 3:52
5. Dreamsville Henry Mancini 7:18
6. When You Wish Upon a Star Leigh Harline 6:45
7. A Flower Is a Lonesome Thing B.Strayhorn 8:15
8. Quick Fix Ojeda 3:21
9. After Hours Ojeda 5:52
10. Outside Inn Ojeda 5:58
11. I'm Leavin' Miles 4:11
Doug Lawrence (ts)
Bob Ojeda (tp,arr)
Frank Wess (ts,fl)
Alex Saudargas (g)
Kenny Drew, Jr. (p,arr)
Lynn Seaton (b)
Butch Miles (ds)
Produced by Frank Nagel.Heyer & Butch Miles
Recorded at Pedernales Studio, Texas on January 3 & 4, 2003
ベイシーオーケストラに在籍したメンバー達が自分のアルバムを作ることになると、どうしても日頃身に付いたベイシーサウンドが気になる。聴く方のファンもそれを期待してしまうことが多い。
一方で、ベイシーサウンドを知り尽くしたメンバーが、ベイシースタイルの演奏をするバンドに加わると、バンド全体のスイング感が変る。何かベイシーのスイング感には独特なDNAのようなものがあるのかもしれない。
今回もベイシーオーケストラの一員として参加しているアルトのマーシャルマクドナルドがバイソン片山のビッグバンドに、デニスマッケルがベイシーサウンドオーケストラに加わったライブがあったが、いずれもDNAを持ったゲスト効果が表れていたように思う。
70年代から80年代にかけてのベイシーオーケストラで活躍したドラムのブッチマイルス。一昨年のベイシーオーケストラの来日時ゲスト参加していた。久々の古巣でのプレーであったがツボを押さえたドラミングは流石であった。
今回のベイシーオーケストラのメンバーの中ではテナーのダグローレンスが目立ったので彼のアルバムでも聴きたいと思ったが、リーダーアルバムは残念ながら手持ちがない。(というより知らないという方が正しい。今度探してみようと思うが)。何か手持ちのアルバムで参加したものがないかと探したら、ブッチマイルスがリーダーを務めたこのアルバムがあった。
ライナーノーツもあまりじっくり読んだ記憶が無かったが、今回読み返してみるとこのセッションはなかなか面白いプロジェクトだったようだ。
ブッチマイルスは、ベイシーオーケストラ時代はスインギーでダイナミックなドラミングを聴かせてくれた。このプロジェクトでは敢えて慣れ親しんだベイシーサウンドから離れた演奏にチャレンジしようと思い立ってそうだ。
とはいっても、もちろんベイシーオーケシトラを離れてもドラミングの基本は変わらない。モーダルな演奏やフリーをやろうと訳ではないので、バップオリエンテッドであり、時にはラテンの味付けをしたストレードアヘッドなスイングジャズという事になる。
もちろん自分一人ではできないので、友人達に声を掛けると皆主旨に賛同してくれてこのアルバムが生まれた。その中にテナーのダグローレンスが加わっていたということになる。メンバーはローレンス以外にも一緒にベイシーで一緒だった仲間が多い。フロントは彼のテナーにトランペットとトロンボーンを加えた3管編成。特にトランペットのボブオヘーダは作編曲も協力してくれた。曲によってはベイシーオーケストラの重鎮であったフランクウェスがテナーと、フルートで参加している。ローレンスと2人のテナーバトルも楽しめるという編成だ。
曲はスタンダードもあるが、オリジナル曲も加えてオリジナリティーを出している。
ベイシーナンバーからは唯一キュート。この曲はベイシーでもドラムのブラッシングをフィーチャーしているが、ここでもマイルス自身のアレンジでベースをフィーチャーする試みとなった。
一曲目のHangover Blues。同名の曲が野口久和ビッグバンドのレパートリーにもあるが、こちらはオヘーダの曲。二日酔いのブルースといった雰囲気はどちらも同じだ。続く曲も狙いどおりどの曲もハードパップオリエンテッドな演奏だ。マイルスのドラムも多少モダンな感じはするが、確実にビートを刻む切れの良いドラミングは変らない。
7曲目のA flower in a lovesome thingで雰囲気が変る。ピアノのケニードリューJr.のトリオの演奏だが、このドリューのピアノの参加がグループ全体の雰囲気を新しい感じにしているかもしれない。
以前聴いた時は、ブッチマイルスも最近は少し新しいスタイルになった位に思っていたが、意図的に演奏したハードバップスタイルも悪くはない。
1. Hangover Blues Ojeda 3:45
2. Another Drum Thing Ojeda 4:56
3. Frank's Blues Ojeda 4:23
4. Cute Hefti 3:52
5. Dreamsville Henry Mancini 7:18
6. When You Wish Upon a Star Leigh Harline 6:45
7. A Flower Is a Lonesome Thing B.Strayhorn 8:15
8. Quick Fix Ojeda 3:21
9. After Hours Ojeda 5:52
10. Outside Inn Ojeda 5:58
11. I'm Leavin' Miles 4:11
Doug Lawrence (ts)
Bob Ojeda (tp,arr)
Frank Wess (ts,fl)
Alex Saudargas (g)
Kenny Drew, Jr. (p,arr)
Lynn Seaton (b)
Butch Miles (ds)
Produced by Frank Nagel.Heyer & Butch Miles
Recorded at Pedernales Studio, Texas on January 3 & 4, 2003
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クリエーター情報なし | |
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