アンコウ物語

徒然なるままに

原発再稼働

2013-07-24 16:12:00 | 原発事故

2013年7月21日に行われた参議院議員選挙で自民党が圧勝した。
安倍首相はこれで原発再稼働が承認されたとは思っていないだろうが、
再稼働に弾みをつけることになるだろう。

「安全性が確認された原発は動かす」が、安倍政権の基本方針である。
原子力規制委員会で再稼働をクリアすれば、原発というシステムには
問題ないという認識のようである。人類の生存に脅威を与える原発は
絶対にやってはいけない。 しかし、現実はこの政治を止められない。
原発再稼働をするなら、まだ何も決められていない、絶対にやらなくては
ならないことをどうするのか。

・ 福島第一原発の事故原因が解明されていない。事故原因が分からずして
原子力規制委員会は原発の安全基準が出来るはずがない。事故原因の
究明が先である。

・ 米国NRCのロゴビンレポートで提起された「避難計画なくして稼働
計画なし」と言う考え方は未だに日本にはない。原発再稼働をする前に
何故「原発事故による避難計画」を策定しないのか。原発再稼働の前に
避難計画を作らずして民主主義国家とは到底言い難い。

・ 福島第一原発事故の教訓に学び、原発再稼働の前に政府、電力会社は
原発事故被害者への
賠償基準を作ることを怠ってはならない。これなくして
再稼働はありえない。

・ 原発事故の責任は原発設置を受け入れた自治体も免れるものではない。
原発事故が発生した場合の自治体による被害者への賠償基準を作らずして
再稼働はありえない。

・ 高レベル放射性廃棄物処分場や方法が決まっていない。溜まり続けて
いる使用済核燃料もどうやって、いつ処分するのか。原発稼働を申し入れ、
それを決定する関係者は、自分達がもうこの世にいない遥か遠い将来の
子孫にその処分を委ねることなど無責任極まる。

・ 産業の競争力維持等の理由で原発を稼働し、安価な電力(勘違いか
意識的にやっているのか。実際は廃炉費用、廃棄物処理費用などを含めると
他の電力コストより遥かに高い)として原発を利用することは許されない。
原発事故のリスク、数十年後とされる廃炉等の困難な作業やそのコストは
後世に先送りすることなど、現在の産業界、電力会社、原発立地自治体などの
関係者だけ、が利益を受ければそれで良しとする考えはエゴイステックであり、
正常な人間の思考とは思われない。人間が一番やってはならぬことであり、
無責任甚だしい。

・ 中国は住民の反対により、原発建設を中止したが、日本は度重なる
原発反対デモ、世論調査による原発反対過半数の意思表示にも拘わらず、
これを全く無視して、日本政府は原発再稼働を計画している。共産党一党
支配の中国より独善的である。

・ アメリカでは多くの原発は人口が密集するシカゴからニューヨークの
地域にあり、フランスでは主力産業のブドウ畑があるロワール川の上流に
20基の原発が配置されている。事故確率が低ければ原発を都市の近くに
作るというのが世界の潮流でもある。日本は何故消費地に近い東京や
大阪の地価の安い湾岸の埋立地や近郊に原発を作らないのか。原発を
安全に操業させる能力が日本にはないのか。


・ 消費地から遠く離れた原発から首都圏に送電する為に、至るところに
鉄塔と送電線が設置され、日本の田園の美しい景観が甚だしく損なわれて
いる。この醜悪な景色を毎日見なければならない住民はその被害者として
救済されるべきである。

 



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