『百貨店などのレストランでの食品表示偽装、医薬品のデータ改ざん、JR北海道の
レール検査数値改ざん、全聾とされていた作曲家のゴーストライター事件……。次々に
大掛かりで深刻な「ウソ」が浮かび上がっている。日本人はいつから嘘つきになったのか。』
こう慨嘆しているのは伊藤忠商事前会長、前中国大使の丹羽宇一郎さん。丹羽さん
ならずとも多くの人たちが憤慨している。企業や個人だけではなく、重要な職務にある
政治家も負けずに嘘をつく。
野田佳彦前首相は2011年12月16日夕方に開いた記者会見で、東京電力福島第一
原子力発電所の1~3号機の原子炉が「冷温停止状態」を達成し、事故収束に向けた
工程表の「ステップ2」を達成したと発表した。 野田首相は、「冷温停止状態」の達成を
判断した根拠を、「安定して冷却水が循環し、原子炉の底の部分の格納容器の温度が
100度以下に保たれており、万が一何らかのトラブルが生じても、敷地外の放射線量が
十分低く保たれるといった点が技術的に確認された」として原発事故の収束宣言をした。
これが嘘であったことはその後の様々な事故発生により明らかである。
安倍晋三現首相も野田前首相に負けてはいない。ブエノスアイレスでの2020年東京
オリンピック誘致のプレゼンテーションで、福島第一原発は「アンダーコントロール」と
スピーチした。日本人は誰もこの発言を信じておらず、一国の首相が良くもこのような
嘘がつけるものと感心した。
これらは何も最近の傾向、状況ではなく、戦時中の大本営発表を見ても昔から国家も
嘘をついてきた歴史がある。国家存亡の時には事実を歪曲して国民に伝えることも
必要と考えたと思われるが、真実ではない情報は国家の滅亡に繋がる。戦後は過去の
教訓に習い、日本人は真面目に、正直に努力を続け世界第二の経済大国となり対外的な
信用も高まった。中国や韓国を除いて、今まで多くの国々の日本に対する信用は高かった
と思われるが、最近はこれがグラツキだしたようだ。
原発関係者は「原発は安全」と国民を洗脳してきたが、これが全くの嘘で、起こしては
ならない過酷事故をもたらした。最近、日本人は倫理観が薄れ利己主義傾向が強まって
いる。自己の利益のためには他者の不利益を無視することが堂々と主張されている。
不完全な事故対策、使用済み核燃料の処分方法の未確立などによって子孫に多大なる
負担を押し付ける原発の再稼働を目論んでいる。
政府や原子力規制委員会は世界一厳しい基準の下で審査を行い再稼働を判断すると
言っているが、どんな厳格な基準をクリアーしても人間の過失による事故は必ず発生する。
政府や経団連が原発の再稼働に向けて準備を進めているが、人類に過酷な弊害を与える
原発はどう考えても止めるべきである。政府や経団連は子孫に対してどのような言い訳を
考えているのか。他者への配慮を考えていれば再稼働など出来るものではない。今までの
様に真実を隠蔽する、事実を公表しない原発が続けば嘘の歴史と人類の危機は限りなく続く。
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