東京電力広報による放射線量放出量
東京電力の広報に以下のような記事がある。
『当社は、福島第一原子力発電所1~3号機原子炉建屋からの、
現時点(平成25年1月31日公表時点)での放出量の最大値は
1時間当り約0.1億Bq(ベクレル)と推定しました。これは、
事故時に比べて約8、000万分の一の値です。』
この数字、毎時1、000万Bqは、広島型原爆が毎日落ちているのと
同じ線量である。広島型原爆と福島第一原発の放出量を同一基準で
比較は出来ないが莫大な放出量であることは間違いない。又、この
東電の公表する数字はあくまでも推定で正確なものかどうかも疑わしい。
今年の1月現在でも毎日2億4千万Bqもの放射線量が放出されている。
然るに、当時の野田首相は平成23年12月16日、原子力災害対策本部で
福島第一原発の事故収束に向けた「冷温停止状態(ステップ2)の達成」を
宣言した。事実上の収束宣言をしたが、こんな無責任なことはない。
避難指示解除準備区域の放射線量
先日、現在除染作業が行われている福島第一原発から20KMの町で、
除染作業を落札した大手企業の下請け会社による除染作業を見る
機会があった。建物から約3m離れた敷地内の竹林で、作業員が
5名で放射線量の測定を行っているのを見ていたら、一人が測定器を
かざして線量を読み上げもう一人が記録をしていた。地上1Mの空間
線量で測定値が高い所で、4.15μSv/hであった。
ここで作業をしていた係員にこの町で、これまで測定した所でどの程度の
線量があったのか尋ねたところ、10μSv/h以上の場所が無数にあると
回答された。この町は広報で定期的に町内の数十箇所で測定した放射
線量を公表しているが、2011年3月12日以降、町内で地上1Mで4.0
μSv/h以上の線量が測定されたとの報告は一度もない。何故、このように
実態と行政からの公表との間に乖離があるのか。
政府は事故収束宣言をし、除染を行い、避難基準の変更を行い、早急に
住民を帰還させるよう進めているが、事実と、東電、地方自治体や政府が
出している情報に大きな隔たりがある状態では住民の帰宅は出来る筈が
ない。事実の公表に基づく施策なくして復興はあり得ない。
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