TaizanのWhite Mountain

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道元禅師の足跡を訪ねる 大佛寺山

2020-03-27 | 越前の山々

コロナ自粛で閉じこもりがちですが、こんな時は誰にも会わない地元のマイナーな山歩きを見直してみたいと思い、新しく「越前の山々」というカテゴリーを設け地元の山々の歴史を交えて紹介していきます。初回は我が家の正面に連なる上志比三山を縦走する「祖跡コース」です。

上志比周辺は白山信仰との関わりも深く、えちぜん鉄道小舟渡駅脇には白山権現伏拝という石柱が有り白山の遥拝所でした。一駅隣の越前竹原から山中に入ると吉峰寺が有り大本山永平寺まで11.1㎞「祖跡コース」の出発点です。

1248年越前にやって来た道元禅師はここに1年滞在し、禅の教えを説いた「正法眼蔵」の1/3を書き上げたそうです。その翌年には大佛寺山に傘松峰大佛寺を開きます。登山道は吉峰寺脇から尾根伝いに祝山(705m)に登ります。そこからは割と平坦になりアップダウンを繰り返しながら仙尾山(826m)~大佛寺山(807m)へと続きます。この間九頭竜川の流れと白山が圧倒的な存在感で眺望出来ます。

白山と縁起の深い道元禅師もまた、ここから白山を遥拝していた事でしょう。反対側には、九頭竜川流域と三国港方面の開放的な眺望を楽しむ事が出来ます。大佛寺山入口までは、森林基幹道大仏線が登山道と並走しているので、体力に自信の無い方は、ここまで車で来ることが出来ます。

大佛寺山山頂から約200m下ると僅かな平坦地が有り、石積や石仏が残されています。その直ぐ下には「御開山硯石水」がコンコンと湧き出ています。道元禅師はここに籠って残りの「正法眼蔵」を書き上げたそうです。その後にここを「吉祥山永平寺」と山号を改め第三世義介禅師の時に現在の場所にお寺を移したと推定されることが案内看板に記されています。

ここに、現在の永平寺の礎が築かれ修行の場と成った理由の一つは、白山の遥拝所として素晴らしい立地条件と何より生活に必要な湧き水が豊富だったからでしょう。この湧き水はざっくり800年前から湧き続けているのかと考えると壮大な時の流れを感じます。ここから山を下ること4キロで祖跡コースの終点大本山永平寺です。もう直ぐ若葉に包まれる季節です。体力に自信のある方は越前竹原駅からスタートして大本山永平寺までの縦走にチャレンジしてはいかがでしょう。林道も並走しているので上志比三山の山頂部だけ楽しむ方法も有ります。

【参考コースタイム】

山門入口(20分)吉峰寺(120分)祝山(45分)仙尾山(45分)大佛寺山(10分)大佛寺跡(40分)ダム湖畔口(80分)大本山永平寺

 

 



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