TaizanのWhite Mountain

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平泉寺参道と法恩寺山

2020-04-15 | 越前の山々

過去に撮影した写真とレポートで綴る「越前の山々」シリーズ第2弾

山にも春が訪れ、長い冬から解き放たれた草木が生きいきと芽吹き始めました。今回は平泉寺から始まる越前禅定道の法恩寺山までを紹介します。先ず目に入ってくるのは大きな杉に囲まれた菩提林です。樹齢何百年かという杉の大木が道の両側に続く様子は歴史の深さを感じさせます。ここから平泉寺までの参道は、延々と敷き詰められた石畳が続きます。この石は、平泉寺全盛期当時六千坊と言われた僧兵たちが、九頭竜川から運んで敷いたものだと言われています。

そんな杉並木を見上げながら石畳道を歩くとタイムスリップした感覚になります。菩提林から続く杉並木は、更に境内にも広がっていて昼でも太陽を遮りしっとりとしています。一面に絨毯を引き詰めたような青苔は有名です。途中の参道脇には、白山の開祖泰澄大師が白山の神様からお告げを受けたとされている御手洗池(平泉)が有ります。奥州藤原氏は白山に対する信仰が篤く、多くの寄進をここ平泉寺に寄せて居ますが、奥州平泉の地名の元に成ったのがこの泉と言われています。

更に階段を登り詰めると拝殿が見えてきますが、一向一揆で焼失する前は、幅四十五間(約82㍍)有ったとされ当時としては日本でも破格の木造建造物だったとされています。その礎石が今も苔に覆われて残っています。また、周囲の石垣は、大阪城にしか見られないような大きな鏡岩が用いられていて、強大な勢力を誇った当時の威容が偲ばれます。参道は本殿の右脇から更に上の三ノ宮に続きます。ここからいよいよ登山コースです。ここからが、白山山頂へ続く「越前禅定道」の入口です。この登拝道は717年に泰澄大師が拓いたとされています。古道といわれる山道は、うねりながらも、とい状にしっかりと道形がついていて、階段が無い道が続きます。自分の歩幅で歩くことが出来て、落ち葉のクッションも良くちても気持ちよいです。千三百年の歴史を踏みしめ登ってゆくと間も無く、剣ノ宮に着きます。ここは第一の「宿」とされていています。白山山頂までにこの「宿」が十二箇所あり、礼拝や禊ぎの場所であったようです。登山道はさらに三頭山(778㍍)を経由して続きます。少し平坦な見通しの良い所に出てくると、ここが第二の宿「釈迦の原」と言われている所で、中ノ平避難小屋があります。山頂まではもう一登りです。荒島岳や六呂師高原、大野市から勝山市へと流れる九頭竜川の蛇行が雄大です。

最後の登りに取り掛かると山頂手前の小さな平地に祠があります。ここが第三の宿「法音教寺」です。法恩寺山の名はここから由来しています。山頂からは、白山連峰を正面に、加越国境の山々東側には、経ヶ岳を見ることが出来て、実に歴史の深さを感じる登山道です。

  • DATA
  • 平泉寺(1時間30分)三頭山(1時間)中の平(1時間10分)法恩寺山頂(1時間30分)三頭山(1時間))平泉寺


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