現代視覚文化研究会「げんしけん」

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ARIA The ANIMATION  第4話 「その 届かない手紙は…」

2005年10月27日 23時37分53秒 | アニメ・映像全般
 第4話は「アクア」の開拓時代に迷子になってしまった「届かない想い」を【水無 灯里】が時代を越えてその想いを伝える放映回。今作では「想いを伝える為に・・・」が一つのキーワードだと感じております。物語の全体としても凄く感動的に仕上げておりますし、感動的な場面の展開と言語による表現など見所がいつもながらに多い印象を受けました。今回のストーリーの流れは「ある日の夕方、翌日の朝食の買い出しに出かけていた【灯里】が、不思議な鈴の音に誘われ入った路地。その奥には、夜光鈴を吊るした木々と何匹もの猫、そして、ひとりの少女【アミ】が立っていました。「手紙、届けてくれる?」。星を越え、瞬時に届く電子メールが主流となった今でも、人の手を介して届けられる手紙=郵便が残された「アクア」。でも、その手紙に書かれた住所は、そんな郵便配達の【ウッディー】さんでも届けられない場所でした。」といった感じで展開して行きます。
 前半パートでの注目は、謎の少女【アミ】との出会いだと思います。【灯里】が【藍華】と【アリス】とゴンドラでの練習を終えて、アリアカンパニーに戻りオールなどの使用した道具を片付けていると【アリシア】さんに「パン屋さんに行って貰っても良いかしら?」と朝食の買い物を頼まれます。そこへ【アリア社長】が来て【アリア社長】も行きたいアピールをします。お尻を向けた愛嬌のある仕草が凄く可愛いですよ(笑)。そして、活気の溢れた市場を歩いていると【アリア社長】が突然、かごからダイビングして顔面を打ちますが・・・起き上がりどこかへ歩き出します。その【アリア社長】の姿を追う事になる【灯里】。その【灯里】も「鈴の音」に呼ばれている不思議な感覚を覚えます。そして【灯里】と【アリア社長】は、どんどん路地の奥へ進んで行きます。その路地を抜けると【灯里】が「あっ!うわぁ・・・」と声を上げるほどに神秘的な中庭に出ます。その場所はあたかも時間が止まっている感じが表現される。この神秘的な空間で【灯里】は木の影に隠れている一人の少女【アミ】と出会います。【灯里】が「あなたは・・・」と聞くと「これ」と【アミ】は手に持っている封書らしき物を前に差し出します。【灯里】も自然とその封書に手を出してしまう。「お手紙・・・届けて・・・」「えっ?私が」「お願い・・・」「えっ?あの・・・」と状況がうまく呑み込めない【灯里】。そして【アミ】は「絶対に、届けてね・・・」と指きりをする為に、小指を差し出すと【灯里】もなぜか無意識に【アミ】と指きりをし、指を絡ませたと感じられるシーンと【アミ】の首にある「銀の鈴」を見る【灯里】の表情が印象深い所です。この場面では、どこか懐かしい原風景と心地良い音楽との演出が凄く良かったです。【灯里】は、【アミ】の為にこのお手紙を届ける行動を開始します。夜、自室のパソコンで「あて先」と「名前」を調べたり、郵便屋さんにも聞いて調べて貰います。分かったのはお手紙の中身が旧式のカードである事だった。また【灯里】がゴンドラに乗って【アミ】の事を考えていると【アリア社長】にまた「鈴の音」が聞こえ反応します。【灯里】「この水路がどうしたんですか?アリア社長。えっ?あっ?そっちに行くんですか?」と狭い水路を進んで行くと・・・またも、不思議な感覚を覚える場所に出ます。【灯里】の「こんな場所・・・ありましたっけ?」のセリフで「アクア」ではあるが、別の場所へ迷い込んだと思わせます。このシーンでは【アミ】を見つけたよりも呼ばれたと表現した方が良いです。そして【アミ】は「届けてくれた・・・」【灯里】「あっごめんなさい・・・まだ」と答えると【アミ】の水面に映った表情が寂しくなる描きが、彼女の今の心情を巧みに表現しています。このシーンでオススメなのが【アミ】のセリフの「約束したのに・・・あなたしかいないのに・・・あなただけが私に気が付いてくれた・・・」と「きっと、届く?・・・良かった・・・手紙は本当に時間と場所を越えて心を届けてくれるのね・・・」が凄く好きで【アミ】の心情面がよく描かれている所だと感じます。この場面での【アミ】の言い回しでの受けた印象で、なぜに【アリア社長】が【灯里】を【アイ】の所まで導いたのか?の答えがあると思います。【灯里】の人としての魅力かもしれないし、この人ならば信じられると想いを託したと感じられた。私の推測ですが【アミ】との出会いは運命に近い必然的な結果だと思います。【アミ】との出会いのきっかけは、もしかしたら【アリシア】さんからの朝食の買い物から始まっていたのかもしれないです。アニメ劇中では、夕方になり、郵便屋さんが調べて戻って来ます。このシーンでは走る【灯里】の姿から結果を待ち切れない感じがよく表現されています。このシーンでは、住所は分からない事、そのあて先と同じ名前の場所がある事、その場所を示す地図などが描かれる。ここでの【灯里】のセリフが良かった。郵便屋さんにゴンドラで行ける距離じゃないと言われているのに「約束したから行かなくちゃ」と言う所が【灯里】の責任感の強さを描いていて好きですね。
 そして、後半では【ウッディー】さんのエアーバイクで【灯里】自身を乗せて、その手紙のあて先の開拓基地に向います。この開拓基地に向う途中の【ウッディー】さんと【灯里】との会話シーンで良かったのが、【ウッディー】さんの「私たちは、こいつに乗って大切な気持ちを届けるお手伝いをする、水先案内人(ウンディーネ)さんたちはゴンドラに乗って、大切な気持ちを作るお手伝いをするのがお仕事なのだ・・・素敵なお仕事なのだ」だと言うシーンが良かったです。【灯里】も「あっ・・・大切な気持ちを作るお手伝い・・・」と自分に問い掛けるように言います。【灯里】の笑顔から何か嬉しい気持ちが伝わりますし、【ウッディー】さんの違う視点から見た言葉で【灯里】自身も気が付かなかった事を見つけられたと思います。実際に、開拓基地に着きますが、島自体には何もなく、てがかりもない状態。【灯里】が沢山の石の柱を見つけるとそれはお墓だった。しかし、基地は見付らないと探していると【ウッディー】さんが「う~ん、あれ?」と海面をエアーバイクのライトで照らします。すると開拓基地は海の中に沈んでいた・・・諦めかけていると【ウッディー】さんが「諦めないで、何かてがかりを探してみるのだー」と【灯里】を励まします。2人で探していると夕方になり、何と花屋さんから借りたエアーバイクで【アリシア】さんと【アリア社長】がやって来ます。【アリシア】さんから語られるこの開拓基地の大量の水による事故、その手紙は事故の情報が伝わる前に出された事を聞いていると【ウッディーさん】が【灯里】を呼びます。呼ばれて行くと、そこには、一つのお墓がありました。そのお墓には「アレン」と書いてあり、手紙と同じあて名だった。【灯里】は「せっかく、届けに来たけど・・・ごめんなさい・・・」と言う。すると【アリシア】さんが「届けましょう」と【アリア社長】のリックからカードリーダーが出て来た。【アリシア】さんが「うふ・・・カードリーダーを郵便屋さんが探して来てくれたのよ」と言うと【灯里】も自然と笑顔になった。そのカードリーダーにカードを通すと画面に一人の女性の姿【アガサ】さんが映り・・・そして、語り出します。この【アガサ】さんの語る「アレン」さんへの想いに【灯里】が瞳を潤ませる感動的な展開が描かれ、聞き覚えのある「鈴の音」が画面から聞えて来ます。そのリーダーの画面には【アミ】を思わせる「銀の鈴」を付けた猫と回る水車が映っていた。【灯里】の「あっ・・・この場所って」で全てが理解できた気がします。【アガサ】さんの「アレン」さんに対する愛する想いが詰った言葉と満面の笑顔により【灯里】が涙を堪え切れずに泣いているのだが、表情は笑顔なのが印象的だった。【灯里】の「今、届けたから・・・ちゃんと届けたからね・・・」のセリフと【アミ】の言葉を思い出す演出も良くて、観ていて心がアツくなりました。