鎌倉八百ヶ谷戸

鎌倉の街はそのものが環境遺跡

善財 一 写真集

山の根辺り

2020-08-12 21:14:03 | 環境遺跡 鎌倉の谷戸

逗子市山の根の北東側は池子地区である。この一帯には横穴古墳(先に紹介した熊野神社の背後の尾根近くには横穴古墳がある)やその後の農村集落の遺跡があり、人が住むに適した土地であったことが想像される。この環境は三浦半島から東へ、また鎌倉を経て藤沢、さらに西へと続いている。ところが鎌倉の中心部は土地の構造に手が加えられたため、古墳時代の横穴古墳などは遺されていないのではなかろうか。ただし、中心部から少し離れた藤沢との境界辺りには横穴古墳が遺されているところもある。これらの状況からも、鎌倉中心部の土地利用は尋常ではなかったようだ。

山の根辺りの山襞を辿ってゆくと、谷戸が市の管理によるものであろうか共同の畑とされていたり、小さな公園となっているところがある。山際はもちろん掘削されて切り立つような所が多い。ちょっとした高台が平場となっており、近世には家があったのではなかろうかという空域もある。もちろん他の地域と同様に尾根近くまで家が建っている。