《鎌倉八百ヶ谷戸》Web写真集(PCの大画面で見てください)
先に紹介した山ノ内の高台に立っている古樹を、石段の下から眺める。
木が天然の壁の端にへばりついている状態。
自らは生きようとして根を張らせている。
これも写真の切り貼りで。
脆弱な鎌倉石を割るように根が成長している。
かなり危い状態。
でも、切り倒すことなどできないんだろうな。
1980年代に活躍したホックニーによるこの手のフォトコラージュは、撮影者が見ようとしたポイントを複数枚の写真を連続させて表示したもので、鑑賞者はホックニーの視線を追体験するというもの。
また、古典的思考だが、時間の移り変わりが写真に取り込まれるという見方もできたようだ。
だがこの手法は、写真思考としては安易で、初めて作品を見た鑑賞者は貼り付けられた写真群の広がる様に驚いたという程度。
実際に鑑賞させてもらったが、一つの作品に100枚以上の写真が張り付けられていて、それぞれの視点を確認することの無意味さを思い知らされた。
ホックニーは写真家ではなかったから、写真ではなく、写真を用いたデザインであったようだ。
フォトコラージュには、そんな思い出がある。