名越の切り通しを経て鎌倉に入ろうとした人々は、この切り通しを前にして、掘削され切断された山際に圧倒されること間違いない。
さほど険しくもないのだが、覆いかぶさってくるような構造だ。
夏場は木々や藪草が茂っているため判りにくいが、この上に平場が設けられている。
朝比奈の切り通しでも、大仏坂の切り通しでも、比較的よく遺されている切り通し眺めると、迫りくるものがある。
意図してのものであろう。
単に通行するための掘削道ではない。
撮影者の背後はすぐに亀が岡の住宅地。
どこまで切り通しが続いていたのだろう。
横須賀線を見ながら久木へと降ってゆく坂道が古道であろうか、今になってはその面影も探せない。
ああ、草木が多くて見えない。冬にまた来よう。