酔うて酔うて 浮かびしや
兵隊さん達が 前を行く
家の前 列をなして
酔うて酔うて 思い出す
あれが その時かと 今になり
戦争前夜の 世の中を
今になって 合点ぞ
酔うて酔うて 思い出す
幼き日には 軍隊も
兵隊さんの 列さえも
物珍しさに 眺めおりしや
戦争の ”せ”の字も知らぬ
幼き幼き 幼き目には
酔うて酔うて 思い出す
その後きしや 戦争を
知る由も無し その時は
やがて来る 敵機の襲来
知る由も無し 知る由も無し
やがて来る 破滅の道
酔うて酔うて 知る由も無し