スペイン旅
酔うて酔うて 愚痴が出る
なんで なんでと 愚痴が出る
どうして どうしてと 愚痴が出る
酔うて酔うて 愚痴が出る
ローション 頭にかけ 愚痴が出る
リキッド 顔につけ 愚痴が出る
酔うて酔うて 嫌になる
ああ 嫌になる 嫌になる
己の年も 省みず
己のボケも 気づかずに
ああ 嫌になる 嫌になる
酔うて酔うて 嫌になる
立つも 座るも ままならず
体操さえも 骨折りで
にっちも さっちも ならずして
わが身の不自由に 嘆きおる
ああ 嫌になる 嫌になる
酔うて酔うて 嫌になる
脚 腰 立たずに 嫌になる
酔うて酔うて 実感す
己のボケの 始まりを
アラームのセット 間違える
ああ 勘違い 勘違い
集まり時間 間違える
よりもよったり ダブルでの
勘違い 思い込み
酔うて酔うて 実感す
己のボケの 始まりを
呆けを呆けとも 思わずに
過ぎ行く日々の 恐ろしや
酔うて酔うて ぞっとする
この先何が 起こるやら
思うだけでも 絶望ぞ
あれもこれもと 勘違い
空恐ろしや 身に迫る
酔うて酔うて 恐ろしや
今に災い 押し寄せる
ドドッと我に 向かい来る
今も良いかと 問いかける
酔うて酔うて 問いかける
呆けては いかぬと
酔うて酔うて 酔ってます
旅の余韻に 酔ってます
遠き離れた 島々を
巡り巡りて 酔うてます
帰りし今も 酔うてます
浸って浸って 酔うてます
旅の余韻に 酔うてます
過酷な歴史に 流されて
過酷な歴史に 翻弄され
辿り辿りて 今有るを
知らぬ事とて 痛みます
酔うて酔うて 痛みます
心の痛み 今更に
行く土地 行く土地
痛みし過去に 痛みます
己の心も 痛みます
酔うて酔うて 痛みます
スペイン旅
酔うて酔うて 立つのも辛し
どっこら ひっこら 立ち上がる
膝を撫で撫で 立ち上がる
腕をつきつき 立ち上がる
酔うて酔うて 立ち上がる
歳の所為と 諦めつ
酔うて酔うて 慰める
こんな筈では 無かったのに
慰め慰め 言い聞かす
これは成らじと 言い聞かす
酔うて酔うて 言い聞かす
歩きに散歩 ランニング
せねばせねばと 言い聞かす
ならばいっそ 器具をと
走るマシーン 取り寄せて
走ってます 走ってます
酔うて酔うて 走ってます
弱り目祟り目 足腰を
鞭入れ鞭入れ 走ってます
酔うて酔うて 走ってます
酔うてます 酔うてます
今宵も今宵も 酔うてます
痛む頭抱えて 酔うてます
何故か痛みます 痛みます
酔うて酔うて 傷みます
頭痛・片頭痛 分りません
近頃 何故か痛みます
酔うてます 酔うてます
痛み堪えて 酔うてます
風邪とも思えぬ 頭の奥
何故か時々 痛みます
ズキッとした痛み 走ります
酔うて酔うて 痛みます
慌てて薬 飲んでます
グラス重ねて 飲んでます
薬も一緒に 飲んでます
酔うて酔うて 飲んでます
スッキリ爽やか 晴れるよう
薬も酒も 飲んでます
グラス重ねて 飲んでます
蘇える 蘇える
嘘のように 蘇える
我が半身 蘇える
脳の手術 終えて今
嘘か真か この感覚
何の違和感 感ぜずや
酔うて酔うて 歓喜したし
絶望の淵より 蘇える
人生新たに 蘇える
酔うて酔うて 酔いたきや
己の復活 祝いたし
二度と我が身 無きものと
思いし淵より 蘇える
酔うて酔うて 祝いたし
己の人生 復活を
絶望の淵より 這い上がる
酔うて酔うて 酔いたきや
思いしや 人生終わりと
半身不随に なりかけて
酔うて酔うて 思いしや
己の人生 これまでと
思い描きし 己の人生
酔うて酔うて これまでか
せめて後 10年と
思うていたのに これまでか
己の感覚 薄れゆく
己の意思 通ぜぬや
やる事なす事 ちぐはぐに
酔うて酔うて 悔しきぞ
左ヘ左へ 回り込む
知らず知らずに 傾くや
己の意思と 裏腹に
酔うて酔うて 無念なり
己の意思と 離れ行く
