![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/bc/264621704c7215017d2a875b6c9ad600.jpg)
昔もいまも、この世で1番好きなのは映画だ。
私が子供の頃は邦画全盛期。東映、日活、東宝、大映、松竹と、
それぞれ特色のある映画会社があり、新作が次から次へと
封切られていた。
私は夢中になってそれらを観ていた。
映画を観るだけではおさまらず、平凡、明星、近代映画などの
映画雑誌に読みふけり、スターのスキャンダルにも精通してた。
そんな子供は他にいなかったから、知ったことを友達と
情報交換して楽しむわけではない。
いわば、オタクだ。
永田雅一という名前も、子供の頃から知っていた。
俳優ではない。大映という映画会社のオーナーだ。
その名前が、おそらく映画雑誌によく登場したのだろう。
永田雅一は、映画会社だけではなく、プロ野球の球団オーナーで
東京スタジアムという、いまは亡き球場までつくったという。
それは澤宮優さんの「東京スタジアムがあった」という
本を読むまで知らなかった。
いやあ、おもしろかった!
よくぞここまで、昔の有名プロ野球選手達に取材なさったと感心する。
しかもそこに、「吉展ちゃん誘拐殺人事件」などの昭和史が
さりげなく入ってくる。
邦画界が衰退していく過程の裏話もある。
もちろん野球に関しては、その名前を知らなくても、
「そんなことが!」と驚いたり、ちょっと目頭が熱くなったり、
吹き出してしまったりする、選手達、応援団などのエピソードが満載!
足は速いが野球は知らない、というオリンピックの陸上選手が
代走専門選手としてスカウトされた話など「なるほど、それもありか!」である。
野球好きはもちろんのこと、そうでない人にも、
ゴールデンウィークの一冊としてお勧めしたい。