陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

無資格者にご用心

2018-02-17 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

寒い冬が続いています。
私も数年ぶりにしもやけにかかり、指の皮がめくれて痛いです。先週の連休中などは、ご当地でも珍しく数日、雪が積もっていたりしました。水道管が凍結して破裂したとかで水道工事屋さんが大忙しらしく、つかまらないそうですね。

私の身内も先月に水道管から水漏れがあって、急きょ、いつもの業者さんを呼んだそう。
いったんは止まったものの、また別の階からの水漏れが発生。ところが、業者さんに連絡入れ日程を空けても、無断でキャンセル。しまいには、お宅の水漏れは軽いので後回しにさせてほしいとのこと。そこで、信頼のおける知人の工務店の経営者に見てもらったのですが、大変なことがわかりました。なんと、その業者というのは、水道工事に関して全く無資格の人間で(本業はプロパンガスの業者)。その業者がこれまでに行ってきた水道の補修工事というのが、正しい配管ではなく、かなり杜撰な応急処置的なもの。凍結してもあたりまえのゴムチューブでつないだようなものだったらしい。これでは凍結してもやむなしです。この業者さん、このお宅の電気工事なども勝手にやっていたそうですが、かねてから癖が悪くて、値段は安いのはいいが、仕事をなかなか進めず工期を伸ばして手間賃を稼いでいたそう。

げに無知というのは恐ろしいものですよね。
そのえせ工事業者は、身内の配偶者の友人だったので、かねてから配線がおかしいと思いつつ、気心の知れた人で家へ招いても害がない人だったので、ついつい頼ってしまっていたとか。しかし、これこそ、安物買いの銭失いというべきです。この業者さんに工事をさせて風呂場のタイルを割られたり、雨漏りのする天井を剥がされたままにされたりしたようで。器物破損で弁償ものだと思うのですが、訴える気力もなかったのだとか。この工事業者は身寄りのなさそうな、あるいは男手のいなさそうなおばあちゃん宅などを狙っていたようです。

これは工事業者の例ですが。
たとえば、士業の資格者でも、無資格であるのに士業独占業務などを行っているケースがあります。たとえば、最近の会計・税理士事務所をはじめとした士業の事務所や法人は、他の士業資格に通ずるようなコンサルティングをも行っています。まともな事務所であれば、税理士や社労士などを複数名雇っている、もしくはきちんとした司法書士、行政書士などと連携して紹介してくれます。ところが、うさんくさい事務所になると、所長だけが公認会計士、税理士、弁護士などの有資格者で、あとの職員はすべて無資格で事務作業しているなどというケースがあります。もちろん、税理士などの場合、科目合格者でも採用するので、有資格者だが実務経験のないものよりも、場数を踏んでいて最新の法改正にも詳しいという人もたくさんいます。ただし、どんなに事務職員が実地に長けていても、士業の事務所は士業資格を持つ者の判ですべて続きを行います。

極端な話、士業事務所の代表者が引退したり、急逝して、後継ぎとなる有資格者がいなかった場合、その事務所は解散するか、どこかの事務所に顧問先を引き継ぐことになります。資格のない職員は路頭に迷うことにもなります。実際、代表者の息子や娘が資格試験に合格できずに、会社をつぶしてしまったというのはよく聞く話です。職員に有資格者がいないのは、仕事が忙しくて資格試験の勉強時間が取れないからのですが、そもそも、業務量が適正でない、安価な顧問料で多くの顧問先を抱えすぎている、うかつなアドバイスをするので信頼をなくしているなどの問題が見受けられることもあります。

士業の資格はないけれど、無報酬で相談業務に応じているから大丈夫、という人もいますが、たとえ報酬が発生しなくとも、特定の士業の独占業務とされているものを行えば、犯罪になります。無資格でも天才だと謳われていいのは、漫画のブラックジャックだけです。

資格のある人でもいい加減な作業をするのに、ましてや、無資格者はなおさら。
私の身内が被害に遭ったように、サービス価格でやってあげるからといって、その人の経験値の実験台にされては目も当てられません。暮らしにかかわる環境で杜撰な工事をされたり、資産や事業経営に関してまともでないアドバイスをされて不利益をこうむったりすれば、取り返しのつかないことになりかねません。

ちなみに、私は工事業者で予定のブッキングを管理できなくて、向こうの都合でころころキャンセルしてきた人を断ったことがあります。家にいきなり来て、ここが痛んでくるから工事させろと脅してきたり、詐欺みたいな業者もいます。とくに顔なじみだと、手を抜いても文句言わないだろうと思っていたりする。愛想だけはやたらいいのですが、言っていることがでたらめだったり、質問しても的確な答えが返ってこなかったりします。仕事をきちんとしてくれた人は、やはり、時間をきちんと守り、言葉遣いも丁寧な人でしたね。現在、相談に応じて下さる士業の資格者にも恵まれていますが、ゆいいつ被害といえる専門家といえば、歯医者でしょうか。歯に瑕が入るひどい治療をされたので、他の歯科医に治してもらいましたが、いまだに一部残っています。

資格のある専門家の仕事は高収入が多いとされていますが、きちんとした倫理観をもたず、顧客の心身の安全のことを考えて仕事をしていない人もいます。私の場合は、この人はいい加減なしゃべり方をするなという人が大概そうですが、初対面では気づけないこともあります。自分の資産や身体に変化を与えるような専門サービスを利用する場合は、くれぐれも、相手との相性を見抜いてくださいね。おかしいと感じたら、毅然とした態度で応じ、法的な手段も辞さない、金銭的授受の証拠は残しておくこと。泣き寝入りは駄目です。評判の悪い自称専門家は、かならず他にも被害者がいますから顧客を減らしているので、お金を取りやすい人に吸い寄ってきます。カモにされないようにしましょう。

相手は専門家だから任せても大丈夫などと気を許さず、サービスの享受者として、注意点などをあらかじめ調べておくことも必要ですよね。見積もりをきちんととって、相場を調べ、不要なサービスをすすめられても、予算がないのでと毅然と断りましょう。すこしぐらい、こちらが用心しているぞという素ぶりを見せた方がいいです。信頼というのは、きちんと仕事をしてくれた実績があるからこそ成り立つのです。





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