陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

長月ですね、名月ですね

2014-09-09 | 自然・暮らし・天候・行事
9月ですね。9月といいましたら、中秋の名月ですよね。
きのう、きょうと夜は晴天にめぐまれましたので、月を拝むことができました。やや千切れ雲が多かったかな。虹の輪がかかっていて神秘的ですね。今夜は今年最後のスーパームーン現象なんだそうで。

このブログでは月に関することをつらつら書いてみたので、やっぱり今年も書いてみようと思いますが、とりたてて管理人になにか知識があるわけではないので、とりあえずヲタク脳を発揮して雑文を書きつけることにします。名づけて、月にちなんだあの名台詞特集!

・「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」
月を読んだ和歌といえば、紫式部のロマンチックな恋心だとか、西行法師のちょっとセンチメンタルジャーニーあふれる句ですとか、はたまたお家が恋しいホームレス阿部仲麻呂の「ふりさけみれば」の句とか、有名どころあるのに、なんでこんな権力者のぎとぎとした欲望を詠んだ句なの、と思われるでしょうが、私がいちばんに思い浮かぶ月の和歌って、まずこれです。平安時代の歴史のほとんどは天皇家と藤原家の内紛なわけですけれども、藤原家の絶頂期を築いたのが、この道長。紫式部の『光源氏』のモデルともされているそうですが、贅沢三昧で死因は糖尿病らしいです…。

・「月が綺麗ですね」
たぶん、この台詞を聞いて「笑っちゃった」方はそうとうのヲタクでしょう。夏目漱石が出典だというのがあまりに有名。片想いの相手に対する告白をこのように訳せ、という意図らしいが、明治期当時、これでほんとうに伝わったのかどうか、さだかではない。いまでも冗談めかしに仰る方もいるみたいですが、こういう文学教養のジョークってお互いに素養がないと通じないですよね。ちなみに私がこれ知ったのは、たぶん忘れられているであろう某百合アニメからです。

・「月に代わっておしおきよ」
あー、管理人がぜったい言うと思った!って思われてますよね。
まあ、20周年記念アニメも放映中ですし。もともとは桃太郎侍の「天に代わって成敗いたす」かなんかの台詞をもじったのだと思いますが、この決め台詞すごいよね。悪いことしてるとお天道さまが見てるよ、という言い回しはあったろうけれど、お月さんが懲らしめますよ、という発想はなかったはず。

・「お陽様はね、お月様があるから輝くんだよ」
管理人がぜったい言うと思った!シリーズ その2。
この台詞の出どころを知っている方は、もうそうとうマニアックですね。うんうん、あなたもお好きですか、なるほどなるほど。
なんで、ガリレオさんも真っ青な、こんな天文学的知識を覆すようなことを言ってしまったのか、あのヒロイン。要するに自分を輝かせてくれたのがあなたですよ、だから…というわけですね。誰しもひとしれず自分を支えてくれる人がいて、そんなささやかな愛になかなか気づかないものですよね。(と、こう書くととても感動的な話に聞こえますが…)。ところで神無き月の「月」って、暦であるのと、場所としてのそれと両方の意味があるんでしょうね、あれは。だから、神さまなんかもう頼れないよ、と。

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