ひさびさに日曜通いの図書館に行ったらば。
なんと年内の土日で使える最終週の開館日で間に合いました。公務関係のお仕事は、中小企業よりも仕事納めが早いんですよね。サービス提供日を早じまいしているだけで、冬休み中も中でお仕事はされているものなのでそうけれども。
冬休み向けに消化できそうな借り本を物色したものの。
勢い込んで世界文学シリーズの分厚い辞書並のボリュームはとてもじゃないが読み切れない。なので、児童館のほうへ足を伸ばし、目当ての海外文学のお子様向け版を借りることにしました。ゼロ年代に、有名女流漫画家の里中満智子挿絵で出された「レ・ミゼラブル」。
最初はイイ年の大人が子ども向けなんて…と卑下していましたけれども。
社会人になったらとにかく時短。効率読むほうがいいわけで。ざっくり粗筋を知っておいてから、じっくりと濃厚な文体のものに挑戦したっていいわけです。ほんとは、新潮文庫あたりの文庫サイズであればいいのだけども、行きつけの公立図書館にはないのですよね。
『レ・ミゼラブル』はヴィクトル・ユーゴー原作の、フランス文学。
昭和生まれの子どもたちならば、アニメの「ああ、無情」でおなじみ。教会で銀の燭台を盗もうとした男ジャン・バルジャンが改心をして、やがて善人になり出世していく。愛を知り妻ともなろう女を得るのだが、三角関係もあって、そこに当時のフランス革命あたりの動乱も重なって…という波乱万丈の一代記。子ども時分のアニメでは、極悪人のように思えた主人公の中年男でしたが、原作を読むと盗人になったのもやむにやまれぬ家庭の事情があり、涙を誘います。挿絵が美形すぎて違和感はありますが。
おなじく、児童書コーナーで借りたのは。
集英社の偉人伝学習漫画シリーズ。松下幸之助やら、安藤百福やらの実業家はもちろん、西田幾多郎等の哲学者や、高村光太郎夫妻のような芸術家、松井秀喜のような現存のアスリートまで。歴史漫画の個人伝記といえば、教科書に出てくるはずの時代を代表する政治家やら武将やら宗教家、あるいは文学者が多かったはず。最近はかなりマニアックは人物が増えています。たとえば、大河ドラマにもなった北条義時。源頼朝や義経じゃないんですね。小早川秀秋とか、ものすごくマイナーな武将もいたり。
私が今回借りたのは、阪急電鉄の創業者の小林一三。
宝塚歌劇団の生みの親としても知られていますが。なんと、百貨店ばかりではない。住宅ローンやビジネスホテル、映画の配給会社などなど日本ではじめての文化娯楽事業や暮らしにかかわるビジネスを次々に発案した大天才。しかもこの人物、商家の出身で銀行員だったけれども、もともとも作家志望で出世もできなかったとか。でも、「人生には楽しみが必要だ」「人びとの暮らしの未来をつくる」という理想のもと、大事業を成功させてきた、という。
もちろん子ども向けの漫画だから、腹黒い部分は除いて夢のあることばかり描かれているのだろうけれども。
若くて貧しい人向けにソースだけかけるライスのお替りを、百貨店の食堂で許した、というエピソードはとても感動しました。いま、同じ事したら、ぜったいにネットで客のほうが叩かれて大問題になっていそうだけれども。
明治・大正・昭和の頃の実業家はとにかくダイナミックで、みんなの暮らしをよくしようと理想に燃えていた。そんな情熱が羨ましくなります。当時は当時で、庶民の暮らしは今よりもかなり大変だったでしょうけれども。
最近は論語やら思想書やら、経済本やら、憲法の解説なども子ども向けに分かりやすいものが出ています。
図解が豊富で字がみっちりしていないので、目を休ませるために読むにはちょうどいいんですよね。脳に負荷がかからないから。
田舎の図書館はあまりお子様がいないので、大人でも出入りしやすいのがいいですね。
受験勉強ばかり熱心で、背伸びして小難しい本ばかり読んで賢ぶっていた反動からか、年をとると優しめのものが読みたくなるんですね。
ちなみに、私は子どもの頃、学習漫画シリーズで歴史好きになったので、この類のものは大好きです。
絵柄がやや苦手なものもありますが、巻末の解説がわかりやすいですし、きちんとした学識者の監修がありますので、意外と侮れないものなんですよね。興味をもったら、その人物の本格的な伝記や同じテーマの資料に幅をひろげていけばいいので。
調べものの入口として、子ども向けの書籍にまずアクセスするのは、なかなかおススメの方法です。
小一時間程度で読み終わるので助かります。
(2022/12/25)
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。
なんと年内の土日で使える最終週の開館日で間に合いました。公務関係のお仕事は、中小企業よりも仕事納めが早いんですよね。サービス提供日を早じまいしているだけで、冬休み中も中でお仕事はされているものなのでそうけれども。
冬休み向けに消化できそうな借り本を物色したものの。
勢い込んで世界文学シリーズの分厚い辞書並のボリュームはとてもじゃないが読み切れない。なので、児童館のほうへ足を伸ばし、目当ての海外文学のお子様向け版を借りることにしました。ゼロ年代に、有名女流漫画家の里中満智子挿絵で出された「レ・ミゼラブル」。
最初はイイ年の大人が子ども向けなんて…と卑下していましたけれども。
社会人になったらとにかく時短。効率読むほうがいいわけで。ざっくり粗筋を知っておいてから、じっくりと濃厚な文体のものに挑戦したっていいわけです。ほんとは、新潮文庫あたりの文庫サイズであればいいのだけども、行きつけの公立図書館にはないのですよね。
『レ・ミゼラブル』はヴィクトル・ユーゴー原作の、フランス文学。
昭和生まれの子どもたちならば、アニメの「ああ、無情」でおなじみ。教会で銀の燭台を盗もうとした男ジャン・バルジャンが改心をして、やがて善人になり出世していく。愛を知り妻ともなろう女を得るのだが、三角関係もあって、そこに当時のフランス革命あたりの動乱も重なって…という波乱万丈の一代記。子ども時分のアニメでは、極悪人のように思えた主人公の中年男でしたが、原作を読むと盗人になったのもやむにやまれぬ家庭の事情があり、涙を誘います。挿絵が美形すぎて違和感はありますが。
おなじく、児童書コーナーで借りたのは。
集英社の偉人伝学習漫画シリーズ。松下幸之助やら、安藤百福やらの実業家はもちろん、西田幾多郎等の哲学者や、高村光太郎夫妻のような芸術家、松井秀喜のような現存のアスリートまで。歴史漫画の個人伝記といえば、教科書に出てくるはずの時代を代表する政治家やら武将やら宗教家、あるいは文学者が多かったはず。最近はかなりマニアックは人物が増えています。たとえば、大河ドラマにもなった北条義時。源頼朝や義経じゃないんですね。小早川秀秋とか、ものすごくマイナーな武将もいたり。
私が今回借りたのは、阪急電鉄の創業者の小林一三。
宝塚歌劇団の生みの親としても知られていますが。なんと、百貨店ばかりではない。住宅ローンやビジネスホテル、映画の配給会社などなど日本ではじめての文化娯楽事業や暮らしにかかわるビジネスを次々に発案した大天才。しかもこの人物、商家の出身で銀行員だったけれども、もともとも作家志望で出世もできなかったとか。でも、「人生には楽しみが必要だ」「人びとの暮らしの未来をつくる」という理想のもと、大事業を成功させてきた、という。
もちろん子ども向けの漫画だから、腹黒い部分は除いて夢のあることばかり描かれているのだろうけれども。
若くて貧しい人向けにソースだけかけるライスのお替りを、百貨店の食堂で許した、というエピソードはとても感動しました。いま、同じ事したら、ぜったいにネットで客のほうが叩かれて大問題になっていそうだけれども。
明治・大正・昭和の頃の実業家はとにかくダイナミックで、みんなの暮らしをよくしようと理想に燃えていた。そんな情熱が羨ましくなります。当時は当時で、庶民の暮らしは今よりもかなり大変だったでしょうけれども。
最近は論語やら思想書やら、経済本やら、憲法の解説なども子ども向けに分かりやすいものが出ています。
図解が豊富で字がみっちりしていないので、目を休ませるために読むにはちょうどいいんですよね。脳に負荷がかからないから。
田舎の図書館はあまりお子様がいないので、大人でも出入りしやすいのがいいですね。
受験勉強ばかり熱心で、背伸びして小難しい本ばかり読んで賢ぶっていた反動からか、年をとると優しめのものが読みたくなるんですね。
ちなみに、私は子どもの頃、学習漫画シリーズで歴史好きになったので、この類のものは大好きです。
絵柄がやや苦手なものもありますが、巻末の解説がわかりやすいですし、きちんとした学識者の監修がありますので、意外と侮れないものなんですよね。興味をもったら、その人物の本格的な伝記や同じテーマの資料に幅をひろげていけばいいので。
調べものの入口として、子ども向けの書籍にまずアクセスするのは、なかなかおススメの方法です。
小一時間程度で読み終わるので助かります。
(2022/12/25)
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。