陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

空き家の断捨離作業でほとほと困ったこと

2020-01-08 | 政治・経済・産業・社会・法務

昨年に書いた空き家の解体工事に関する続編記事です。
空き家と言いましても、実質は古い農家の納屋(もと畜舎)に過ぎないのですが。この納屋二棟は、母屋の離れとして、隠居老人や子どもの部屋があり、母屋の新築時には一時的に住まいとして客をもてなした形跡もあり、給水設備や照明なども立派に付属していましたので、家も同然の構えでした。壊す前はほんとうにみすぼらしかったです。

今回は、前回までの記事と一部重複しますが、とくに断捨離作業中、あるいは事後に手を焼いたことをピックアップしておきます。何かの参考になれば幸いです。

・車の処分
毎年、自動車税の納付済み通知が届くのに、現物が見当たらない…と思っていたら、大量の荷物に埋もれて古い自家用車が発見されました。家族の知り合いの自動車販売業者にレッカー車でひきとってもらえましたが。ちなみにクラシックカーのような価値のあるものではないです。家族が亡くなったあとの廃車届は確実に。

・大型家具、家電などの処分
先述しましたが、これの解体や廃棄処分はかなり大変でした。家族が多い時に各部屋にもちこんでいたらしく。進物品でもらった調理器などは、廃品回収業者さんに無料贈呈しましたが。正直、古い家電は電気代が馬鹿にならないので、よほどのアンティーク趣味がないなら、買い替えた方がいいです。ラジカセも鳴るのだけど、けっきょく捨てましたね。

・動物の死骸
あきらかに猫もしくは鳥と思われる散骨が…。どこからか迷いこんで、出られなくなったのでしょう。孵化しないままの卵が入った巣の残骸までありました。虫や爬虫類の乾いた亡骸なども、もう驚かなくなりました。触るときはマスク、手袋必携ですね。

・伸び放題の庭木と雑草
これは現在進行形で伐採中でもありますが。ありえない場所、たとえばコンクリ舗装のうえに見知らぬ木が増えていたり、庭木が多くてジャングルに近くなっていたり。最初はノコギリで切断していましたが時間がかかるので、伐採の専門家に依頼しました。鳥が糞で落とした草花や木の種で知らずに大きくなってしまうことが多いのです。隣との境界線が不明になる恐れもありますし、家屋を痛めることもあります。早めに対策しましょう。

・構造不明の謎の隠し部屋
これは納屋解体中に工事現場を覗いて初めて知りました。二階に謎の物置スペースがあり、古い乳母車などがあったようです。解体中だったので何が出てきたのか詳しく確認できず、心残りです。もともとそこに住んでいた人間ではなかったので、天井から上に上がれるなんて、知るわけあるかい!

・工事業者、廃品引取り業者などとのトラブル
これはのちほど詳述しますが、いいリフォーム業者に出会うまで、打ち合わせがほんとうに難航しました。廃品回収も良心的なひとはいたが、悪徳な値段を吹っかけてくる産廃処理工場もあってうんざりでした。解体工事についても、近所への了承を得る必要もあり、かなり気を遣いました。

・真冬あるいは真夏の片づけがきつい
この空き家は電気、給水はありますが、ガスの契約はしていません。そのため、片付けして汚れても湯で洗うこともできず、浴室があるものの入浴は無理でした。洗濯もバケツで作業着を水洗いか持ち帰りです。

・荷物の廃棄でかなりの経費がかかる
トータルの諸経費は合算していませんが。とにかく不用品をゴミ処理センターに運ぶだけでも100回以上かかっており、この空き家に通うだけでも交通費がかさみます。一部売れたものもありましたが、ほんとうにお涙程度。ゴミ袋などの買い足しを考えれば、かなりの持ち出しが多いです。

・健康状態が悪くなる
埃や汚泥がある部屋もあったので、衛生上かなり悪く。また二月の午後十時まで畑の草刈りを行っていて、肺炎にかかったこともあります。除草剤や家具の解体作業などで負傷したり、肌や爪がかぶれてしまったりも。片づけ作業はかなりの体力が必要です。

ほかに、メンタル上よいのか、悪いのかわからないのは、故人の遺品ですね。
どうしてこれを残したのかと悩みたくなるものまでいろいろと。古くて珍しい生活用品もあり、博物館学芸員とのやりとりも面白かったですが、原則、二度とやりたくはないです。
自分のヲタクグッズや研究資料、書籍などもさほど多くは残してはいないけれど、万が一のとき家族が困るだろうから、そのうち処分を検討中です。

私はこの断捨離作業を経験したがため、モノに対する見方が変わってしまいました。
たとえば、廃材を組み合わせた現代アートのオブジェはもはや粗大ごみとしか思えなくなり、かつてのようなときめきを感じません。古民家カフェのような場所もごめんこうむりたいです。田舎で土いじりしてみたいなどと甘く考えている都会民の皆さん、田舎の古い地域の人付き合いやさびれた土地は、便利な場所に住んでいた人間にはかなり厳しいです。空気はうまいですが。

近年、空き家問題がかなりクローズアップされてきましたが、自分が中年になったら、親(配偶者の親も含め)の終活も自分の身の振り方の一部として考えておかねばなりません。老々介護になったときの断捨離はかなりしんどいです。自分のものは自分が元気なうちに処分しておく、身内に迷惑をかけない、買ったものはきちんと管理する癖を身につけましょう。


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