陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

二次創作者は娑婆でカミングアウトすべきなのか?

2020-01-02 | 二次創作論・オタクの位相

今回はとてもとてもデリケートな話題です。
アンケートでもとって調べたいところですが。
二次創作を楽しんでいる皆さん、カミングアウトしていますか。

ちなみにカミングアウトの範囲にもよりけりです。
大別すると「何をどこまで」「誰にどこで」にわかれます。

どの作品が好きか、どのカップルが好きか、さらにはどの性癖が好きか。
これが「何を、どこまで」の範囲。原作ジャンルはかならず明確にしないと二次創作の前提がないので、当然でしょう。カップルも受け攻めまで区別してきっちり示すひともいます。個人的にやや困惑してしまうのは、性癖というもの。SNSでよくつぶやきを見かけましたが、やや反応に困るシチュエーションが好きだと豪語する猛者もいます。同じ傾向のひとは、その情熱に惹かれて同時に萌えるもよし、灰になるのが怖いなら避けるもよし。

さて、つぎに問題なのが「誰に、どこまで」。
あなたは二次創作の趣味を、家族やリアル友人に知らせたことがありますか。たまにコミケを知らない友人をひきずりこんで、あるいは家族に手伝わせて売り子をさせたという話も聞きますが。理解がある縁なのか、むりやりなのか…。

さらに私にはできないのが、職場でのばらし。
同僚や後輩がじつはあのジャンルの神絵師や神字書きだった、きゃー嬉しい!!というつぶやきも見かけます。自身で告白されたのか、うっかり聞いたのか、知りませんが。私には絶対できない芸当です。同人誌製作者のなかには、ジャンル布教と販売目的で仲間増やしをおこないたいひともいるかもしれませんが、うっかり明かすと職場や学校などでトラブルになりかねません。

たとえば、急に休みをとったときにイベント参加やゲームのし過ぎだったのかと疑われたりするかもしれませんので。私はイベント行かないのですが、かなり前に職場には秘密にしたい資格受験で休暇申請をしたら、遊びで休むのね、と軽く笑われたことがあります(ちなみに、有給休暇の場合、職場に休む理由を伝える義務はありませんけどね)。

それだけならいいのですが、やはりヲタクは悲しい生きもの。趣味が趣味だけに誤解もされ、よからぬ流言もあるかもしれません。

そもそも、私としては。
好きな二次創作者の本性なんて知りたくはありません。その人が二次創作以外にどんな思想で、どんな嗜好で、どんな人間関係があって、どんな生活をしているか。それを知ると、二次創作を楽しむ目が曇ってしまいかねません。私は二次創作者の日記やつぶやきはチェックしません。自身としても、二次創作者は生身の人間であってはならないと思っているからです。本でも作者の顔写真が入っているのは好きじゃないですし、インタビュー記事も幻滅してしまうこともあるので読まないようにしています。作者の人間性は物語から読み解けばそれでいいのではありませんか。だいたいの創作者はえてして、背伸びしているものですよ。ですので、この人は理想と違った!信じていたのに!と騒ぐくらいならば、そのひとの本質など覗きこまねばいいのです。お気に入りの二次創作者どころか、原作者の詳しい素性すら知りたくはありません。いや、お気に入り作品の関係者の動向は知りたくないわけではないのですが、他人に関心を寄せすぎるとストーカーみたいになっていくのが怖いといいますか。

私は二次創作をあくまでココロの問題に決着をつけるべく書いているライフワーク(?)だととらえているので、現実世界で堂々と作者だと名乗ることはないでしょう。まあ、さしずめ、Vチューバ―みたいな立ち位置でしょうか。

もちろん、職場の同僚や知人に顔バレしてもへっちゃらでイベントに出ている方や交流目的で同志を得たいと二次創作に励まれている方や、二次創作から商業作家デビューして世間一般に認知されているひとの勇気と風当たりの強さについて、このちいさな、へっぽこな個人の姿勢のために否定するつもりは毛頭ありません。

二次創作だけ楽しんでもらえるなら、それだけの、趣味に限ったサイトにすべきなのですが。
なにぶん不器用なので日記もなにもかもごっちゃにしてしまうのも、はぐれ者の二次創作者たる私の特性なのです。私の日記は自省の念からヲタクにとっては厳しいことも書いてしまうので、できればチョイスして読んで下されば幸いです。


【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。


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