先日発表がありましたが(神無月の巫女のタペストリー現れ、そして奇蹟まで起きる…?!)、今回が正式な記事です。
ウェブノベル「姫神の巫女~千ノ華万華鏡~」が漫画になりますというニュース。同人誌で描き下ろしとかではなくて、なんと角川系列の雑誌連載。百合のレジェンド「神無月の巫女」関連作が、ふたたび公式発の商業作品として味わえます。
神無月の巫女のスピンオフ漫画が予告解禁になりました。「姫神の巫女」電撃マオウで次号より連載開始ですよろしくおねがいします。 pic.twitter.com/SBh7UCjzlk
— 介錯(セブン) (@Kai_Seven_) April 26, 2020
『百合ニュース』「神無月の巫女」のスピンオフ漫画「姫神の巫女」が5月より電撃マオウで連載決定2004年にTVアニメが放送され多くの人々に感動を与えたあの不朽の名作「神無月の巫女」のスピンオフ漫画が来月より電撃マオウでスタートすることが発表されましたー!https://t.co/zbCPxCz7BK pic.twitter.com/SfOiIa9O3u
— 百合ナビ (@yuri_navi) April 27, 2020
この小説が生まれたときも、衝撃的な年でした。
アジア諸国が数百年ぶりの皆既日食の夏に湧いたあの2009年、米国で初めての黒人大統領が誕生し、日本では政権交代が起こり、豚が由来の新型インフルエンザが世界で流行し、いまだリーマンショックの景気悪化激しかったあの頃。その年の9月に、ちょうど漫画「絶対少女聖域アムネシアン」と雑誌連載開始と時同じくしてはじまったもの。当時は漫画連載となにがしか連動した企画なのかな? アニメ「京四郎と永遠の空」のお遊び広報企画のブログ「宮さま日記」みたいな? と思いましたが。ネタではなく、かなり本格的なストーリー構成。途中かなり更新が空いたりするも、2014年にめでたく帰結を見ます。しかも、最終更新がアニメ放映10周年後の10月末日。
ここからの記事は、やや関連作含めての壮大なネタバレがありますので、初見の方はいろいろ、もろもろ、お気を付けください。うっかり内容をお忘れの方も、やはりご留意ください。はい、忠告しましたよ?
彼女達の物語がまた廻り始めるようです。待っていてくださった皆様よろしくお願いします、僕も楽しみです、ありがとう介錯さん(^^)→RT
— 柳沢テツヤ (@T__Yanagi) April 26, 2020
2004年放映からすでに苦節16年。
そう、アニメで月の社に封印されてから16年後は2020年。
月には誰も知らない社がある、そこで二人は永遠の夢を見る──の原作漫画ラストから、ふたたび16歳を迎えるあの二人はいま、新しい恋をする…。それが「姫神の巫女」。原作漫画の後日譚からすると、「絶対少女聖域アムネシアン」のほうがそのアフターに思われるのですが。わざわざ2020年にあわせて、かねてから練られていたのかもしれません。
今回のひめちかは、キャラデザが初代から違います。
姫子もどきは都会の女子高生という感じですが、外見は「アムネシアン」モードだけども中身が白鳥くう寄り? 千歌音ちゃんまがいは黒セーラー服に日本刀なんていう、ものすごくスタンダードな闘うヒロインです。個人的に思い出すのは、「闇と帽子と本の旅人」の妹キャラですが、「京四郎」世界のかおんの学園内での制服がこれでしたよね。昭和ちっくで実にマニアックな(爆)。桜の代紋入りのヨーヨー片手に「何の因果かマッポの手先」とか言い出して、私淑してきた舎弟がひそかにいそうな、ちょっと強そうな千歌音ちゃんです(嘘)。この二人は、別の学校に通っているのでしょうか。千歌音ちゃんのセーラー襟、薔薇の模様の刺繍があるんですが、たくみに訓練された百合脳には連打でちゅーした痕に見えかねません。絶対運命黙示録のアレ?
やっぱり、姫子と千歌音ちゃんは、あのお揃い制服で、あの色違いペアの巫女服でないと──などと懐古厨は叫びます。まあ、ひめちかシリーズは裸にひん剥いたら全部同じですよね(殴)。いや、初代って、「十字架トライアングル」より前にいたはずで、原作者先生のピクシブに絵があったはずですが。
ところで、管理人めは神無月の巫女公式小説集というシリーズ記事でちらりと触れたのみで、このウェブノベルについてはレヴュー記事を控えていました。
レヴューがし辛かったのは、漫画や映像作品ならばともかく、あらすじ辿りつつ小説の考察分析すること、ネット上の無料で読めるものに批判がましいことを書くのにためらいがあったからです。…というのは表向きで、お茶らけレヴューを狙っていました。
愛する人が生き残るために死を選ぶ「神無月の巫女」、自分が闘うたびに相手を死なせる危機に懊悩する「京四郎と永遠の空」、すでに死んだも同然なので闘いにためらいのない「絶対少女聖域アムネシアン」。無二の親友、人外、姉妹と神様、ときて今度の姫子と千歌音は、生まれながらの敵同士。ロミオとジュリエットのような悲恋でもなく、千歌音はのっけから姫子を全力で否定し、恋心を自覚したあかつきには姫子を亡き者にしようとまでする。殺し愛なんて言葉があるけれど、今回のはかなりのかなりでひりついた恋愛モードです。
ファンサービスめいた百合百合しいイベントがありますが、ビーチで水着だの、デートだの、プリクラ頬寄せだの、お風呂でドキッだの、イケナイ夜のアバンチュール(なお未遂)だの、古典的甘々シーンてんこもりで砂を吐いて目が泳いでしまいますが、やはりあのアニメ関係者が手掛けるので愛憎こんがらって、ただでは幸せにしないぞという。脚本家のせいで、今度のひめちかも大変です。クライマックスあたりでは、胸がざくざく刺されるようなどきワク感が迫ってきます。近頃少し、地球の百合に飽きたところにこの始末。読者の甘い期待をひっくり返したいというプロならではの容赦のない意思を感じますね。
*漫画「絶対少女聖域アムネシアン」&ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほか関連作レヴュー一覧*
漫画「絶対少女聖域アムネシアン」および、ウェブノベル「姫神の巫女」、そのほかの漫画などに関する記事です。
★★神無月の巫女&京四郎と永遠の空レビュー記事一覧★★
「神無月の巫女」と「京四郎と永遠の空」に関するレビュー記事の入口です。媒体ごとにジャンル分けしています。妄言多し。