弁理士試験・弁理士受験対策講座  全員合格!吉田ゼミ

頑張るぞ!弁理士試験
370万PVを誇った吉田ゼミのブログ。OCNのサービス終了により、こちらに引っ越してきました!

平成18年度短答式試験[5]

2007-02-16 07:53:00 | 平成18年度(2006年度)過去ログ
ま、特許法総則ってとこですかね。
〔5〕特許法又は実用新案法に規定する期間に関し、次の(イ)~(ホ)のうち、正し
いものは、いくつあるか。
 ただし、特許出願は、外国語書面出願でも国際出願に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願でも、分割又は変更に係るものでもなく、特に文中に示した場合を除き、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。
(イ) 特許庁長官は、遠隔の地にある特許出願人から、拒絶査定不服審判を請求することができる期間の経過後に当該期間の延長の請求がなされた場合、特許法の規定によっては当該期間を延長することができない。
(ロ) 特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にない特許出願人から、特許法第108条第1項に規定する第1年から第3年までの各年分の特許料の納付すべき期間の経過前に当該期間の延長の請求がなされた場合、特許法の規定によっては当該期間を延長することができない。
(ハ) パリ条約の規定による優先権の主張を伴う特許出願の出願審査の請求は、当該特許出願の日から3年以内にすることができる。
(ニ) 審査官が、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えた場合、特許庁長官は、特許法の規定により職権でその期間を延長することができる。
(ホ) 特許出願人は、当該特許出願の日から9年6月を経過するまでは、いつでもその特許出願を実用新案登録出願に変更することができる。

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ



【解説】
結果としてこれも難問の部類に入りました。「三つ」として誤った人多し。ここを落としても、不合格にはならないでしょう。
(イ)正しい。青本4条の[字句の解釈]そのものです。また、4条の主語は「特許庁長官」だけですね。よって正しい。
(ロ)誤り。特許法4条の規定からは外れますが、108条3項がありますね。
(ハ)正しい。優先権の効果(パリ4条B)は、存続期間や出願審査請求期間は関係ありませんね。国内優先権でも同じですね。ここを間違えるのは痛い。
(ニ)誤り。特許法5条の延長の主体には特許庁長官だけでなく審判長や審査官も入っています。よって、審査官は期間を指定したときには請求により又は職権で期間を延長することができますね。審査官は独立した行政機関ですから、審査官が指定した期間を特許庁長官が延長するというのはおかしな話です。
(ホ)誤り。最初の拒絶査定謄本送達の日から30日を経過すると変更することはできなくなるので(実10条1項ただし書)、誤り。
 というわけで二つなので正解は2。

(ニ)を正しいと考えた人もいるようです。「特許庁長官」というところを見落としたとしたら痛いです。見落としでなくて「正しい」と考えた人もいたようです。確かに、審査官が指定した期間を特許庁長官が職権で延長する場合は絶対にない、ということは青本にも書かれていないので迷った人もいるかもしれません(例えば、特許庁長官が審査官を監督するという「職権」を考えて、審査官がさぼっていたら特許庁長官が怒って出てきて「お前がやらないなら俺の職権で延長してやる!」と出てくるような場面とかを想像してみる)。ただ、そのような想像が正しいとするならば、5条2項はなぜ審判長しか規定しておらず特許庁長官がいないのでしょうか。5条2項に「特許庁長官」が登場しない理由は、特許庁長官は、期日を指定するという場面には「絶対に」遭遇しないからで、特許庁長官が期日の指定に関して「職権」を発動する場面は存在しないからです。そういうことを考えると、上記のような「審査官や審判長を監督する」ような「職権」を想像するのは誤りだということになります。5条1項は「自ら」指定した期間については、自分が請求により又は職権で延長できるという規定です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 平成18年度短答式試験[4] | トップ | 平成18年度短答式試験[6] »

コメントを投稿