牛久沼の橋の上で歌う。

牛久沼の裏道は交通量が多い。

国道6号線の渋滞に抜け道になっているんだ。

牛久沼の橋の上、ノロノロと通り過ぎる連なる車の中には家族が乗っている。

旅行帰りか？

俺は知らんぷりで、橋の手摺に座って唄ったんだ。

考えりゃあ、1年前ではこんなこと出来なかった。

それほど自分の歌にも、曲にも自信がなかったからな。

あれから1年、別に上達しているわけもない。

ただ、俺が天才であると言うことに気がついただけだ。

ただね。

2曲唄ったところで、弦が切れた。がっかりだ。



沼のほとりの道に、気持悪い大きな鳥がいた。

おかしいだろ。

今日社員が辞めた。

それは勝手だけど、仕事も途中、客との約束もドタキャン・・・。

すべて、やりっぱなし。

辞めるなら何をしてもいい？？

必ず俺がしりぬぐいをするんだ。

辞める奴の仕事が少なからず、俺にのしかかる。

会社は人件費削減して、仕事は残された者がやる。

それって、理不尽だよな。

給料上がるわけでもなく、負担が増えるだけって。

今度は俺が辞める番だろうな。

馬鹿らしい。