訪問看護ステーションジョジョ(株式会社THS&EK)のご案内

ジョジョは医療ニーズの高い人の訪問看護、療養通所(デイ)老人ホームをしています

虐待と言うけれど

2015-02-19 08:21:12 | 訪問看護
周りは虐待と言うけれど

介入して見れば妻が具合悪くなった老々介護の夫

夫は一生懸命に
妻を介護しているのだが
思うようにいかず不安でイライラして手が出るようだ。

そんな人は沢山いる。
それを周りの者が虐待と騒げば
なおさら孤立し虐待が進む。

どの夫にも共通して言えるのは
介入直後は「来なくて良い」という。
どうせ虐待と言われるのだからという思いがあるのだろう。


それでも夫は介入を試してみる。(夫の葛藤を感じる)
夫は笑顔で対応。よそ行きの顏
暴力を隠そうとするのだ。
そして隠すことが出来きなくなって夫が暴れる。
本当の姿を出して、その後にやっと
少しずつ夫が看護師を受け入れ
夫自身が看護師の訪問を希望する。

虐待と言われる人を何人か介入しているが
夫が食事の用意や後片付けをしている
妻の介護をしている
子供はいても殆ど介入していない。
子供に遠慮しているのか疎遠になっている事が多い

彼らは健康な介護者では無い。
彼らも介護が必要になってきている
介護は若い人でも不安なのだから
高齢者の夫の苦しみはもっと強いだろう。

だからといって手を出すのは良い事ではないが
夫の言い分もわかる事が多いので
何とも言えない。
ただ夫の話を傾聴するのみしか出来ない

先日も夫から
「都合ついたから来てほしい」と連絡があった。
用事があって休むことになっていたけど
どうにか都合付けたと言うのだ

他の夫も
訪問看護を断っていたけど今は
子供に話しても・・・と連絡が来る。
「貴女にしか頼めない」と。
たわいない事だけど
肉親では冷静な対処できず喧嘩になるようだ。

高齢者の不安を解消できなければ虐待や無理心中につながる
実際「死んでくれ、死ねー」の現場にも出くわしている

私が介入した虐待と呼ばれる夫は今の所100%穏やかになったと思うのだが
「あの人は外面がいいから看護婦さんにはわからない」と言われたり

虐待と呼ばれている夫たちだけど
夫の優しさ、律儀さ、一生懸命と感じるのは私だけだろうか
私が騙されているのだろうか
私の考えが甘いのだろうか
私は夫も傷つけたくない
だから

訪問する時は処置だけをするのでは無く
処置を通して家族の心のケアもしていかなければ
これからの老々介護の家では
虐待と呼ばれる人は,不安で
どんどん増えると思う。