初め、あまりに突然の訃報で言葉がありませんでした。
体を治され戻ってくると信じ、
翠風会の教室の皆さんと、沈和年先生がいない間も勉強会をしてきました。
それがまさかこんな風にお別れするとは・・・
先生の写真を探そうと思っても、いつも先生の描いてる手元ばかり写していたので、
お顔が写ってる写真がほとんどありませんでした。
こんな事なら一枚くらい教室で生徒の皆さんと写真を撮っておけば良かった。
私は教室での先生しか知りません。
いつも帽子を被り、タバコを吸いながら墨が程よく乾くまでいろんなお話しをしながら、ベストなタイミングでまた描き始める
そんな様子ばかり思い浮かびます。
初めは描きながら、ただ手を止めて面白い話をしてるだけだと思っていたら、全ては次の一筆のタイミングの為と分かったのは何年も経ってからでした。
どの順番で何を描くか、どれくらいの湿り具合でどう墨を入れるか、全て計算の上で
大胆であり繊細。
墨と水をよく研究されているような、そんな先生でした。
私が冴えない絵を描いても、先生が手を入れると魔法の様に、どんどん良くなり、
同じ筆と紙かしら?と思うほどでした。
構図にしても、ちょっとした線を入れて整えてしまう。
私は良く先生の目👀になってみたいと、
先生に言っていました。
何がどう見えているのか不思議で、どんな風に絵が見えているのか知りたかった。
先生が描く点と線はいつも美しく
墨一色で、花びらの柔らかさや色まで見えてきそうです。
教室での様子
若い頃はとても苦労されたようで、
絵だけでは食べていけないので、ビルのフロアのワックスがけなどしてたと、お話してくれました。
私のワックスがけは隅々まで上手に塗るから、よく褒められたよ😊とお話しされてたのを思い出します。
自ら率先して動き、威張る事なく、
景色を見てどういう描き方で表現出来るかを考えているような、本当に水墨画に一途でした。
もっとこれから素敵な作品を描いていかれると信じていたので、この知らせはとても悲しかったです。
まだまだ教えて欲しかった!
2019年表彰式にて
先生は正直だから、良い作品は惜しみなく「いい!すばらしい」と
ちょっと良いものは
「悪くない😏」の一言。
私達には悪くないの一言でも、最高の褒め言葉でした。
これから時おり先生の言葉を思い出しそう・・・
教えて頂いた事を忘れず、精進していきたいと思います。
出会えて学べた事に感謝いたします。
先生、ありがとうございました。
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