23日、アメリカ・ジョージア州にあるアメリカ陸軍基地フォート・ベニングの軍事裁判所は、ジャシンスキー上等兵にほぼ無罪に近い有罪刑を下した。
ジャシンスキーさんには、去年と今年、2回会った。いずれも「テロとの戦争」がアメリカ軍隊内にもたらしているもの、といった視点からの取材のなかでだった。彼女は「良心的兵役拒否」を貫くために、出兵命令だけではなく、基地における一切の軍事訓練もボイコットし、ただひたすら除隊を願い出てきた。
今年1月中旬、「出兵拒否」と「上官の命令不服従」というふたつの罪で、起訴された。軍事裁判の結果を伝える電子版の記事を、ニューヨークにいる友人が送ってくれた。
《以下引用》
「FT. BENNING, GA – Army National Guard Specialist Katherine Jashinski received a bad conduct discharge today and was sentenced to 120 days confinement after pleading guilty to the charge of “refusal to obey a legal order.” She was acquitted of the more serious charge of “missing movement by design.” With 53 days already served (on Fort Benning), and 20 days off for good behavior, Ms. Jashinski has 47 days of confinement remaining.」(5月24日 米独立系新聞『ザ・スクープ』紙)
記事によれば、「上官の命令不服従」では有罪、「出兵拒否」では無罪とされた。さらに、除隊に関しては、兵士に唯一認められている「良心的兵役拒否」の権利は、裁判以前に却下されていたために、合法的な名誉除隊の道は閉ざされていたものの、さまざまな社会保障が剥奪される不名誉除隊よりは軽い「悪品行による除隊」となった。
刑罰も、120日間の禁固刑となったが、拘禁がすでに53日間続いてきたこと、さらに拘禁中にあっても、軍事訓練以外の命令には素直に従ってきたことが「評価」されたのか、さらに20日間の減刑となり、結局はあと47日間を軍内の刑務所で過ごせば除隊ができる。
ジャシンスキー上等兵にとって、結果は100%満足のいくものではなかったにせよ、ホットしたのも事実ではないか。軍事裁判が始まる4日前、私は以下のような緊張と希望が混じったメールをジャシンスキーさんから受け取った。
「i have been very busy preparing for the trial and it has been very stressful, but i believe my trial will be a success.」
判決直後、私は一言だけをメールに書いて、ジャシンスキーさんに送った。
「Congratulations !!」
『黄長はかく語りき』は、明日以降連載を再開します。
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