Re-Set by yoshioka ko

■沖縄から(その6)

 米軍再編によって新たな基地負担を受ける自治体には、再編交付金という名の交付金を新設する法案が国会審議に入っている。この中で、久間防衛相は「再編に反対の市町村は主旨に馴染まない」などと述べ、反対市町村に交付金は出さないことを言明した。

 この答弁を沖縄から眺めてみると、アメとムチである。防衛という国の要となる政策を交付金という金で秤にかけるやり方は、人の心を金で買うことと同じである。反対するヤツには払わないが、賛成のヤツには払う、というとき、払われる金は国民の税金からである。

 外国の基地があり続ける、ということ自体、国の主権という観点から見ると恥ずかしい限りではあるが、そういう基地の再編問題に日本政府が積極的に取り組むというのもおかしな話ではある。

 しかし、一歩譲って〈良し〉としても、カネで片を付けようとするやり方は、沖縄の基地ある市町村の姿勢やそこに住む住民たちの最近の意識などから見ると、やはりそれは荒廃への道に突き進んでいくことになるのではないか。

 これまでなんべんも書いてきたが、沖縄は基地あるが故に産業が成り立たなかった。一等地を基地が占拠しているからだ。だったら迷惑料を払え、とばかりに振興策に期待を寄せた。国は国で、振興策を厚くすれば基地を受け入れてくれる、とばかりに、大盤振る舞いを繰り返し、この10年でその金額は2400億円に達する(北部地域のみの数字)。

 こんな繰り返しは、基地を固定化させるだけである。いつまでも沖縄を基地漬けにしておいていいはずがない。

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