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日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

新世紀エヴァンゲリオン

2009年02月14日 05時30分15秒 | 日本事情
 新世紀エヴァンゲリオン全26話を見た。ブラジルに来る直前位に1度日本で見ていたので、今回が2回目である。

 ただ、今回見たのはポルトガル語の字幕付き。一体誰が翻訳して、字幕をつけているのかが不思議で仕方ない。でも、音声を日本語で聞きながら、字幕を目で追うという作業は結構楽しい。翻訳が実際に合っているかを確認するという意味合いだけでなく、訳し方の勉強にもなるからだ。あまりポルトガル語の文章を読んでいないから、アニメを見てポルトガル語を勉強しているといった感じである。

 それにしてもこのアニメはすごい。主人公たちは14歳の少年だが、扱っているテーマは重いし、完全に大人向けである。

 主人公の碇シンジは、世の中における自分の存在意義を問い、エヴァンゲリオンを操縦することによってのみ自分が世の中に生きる意味を見つける。そして、問題を抱えているのは主人公だけでなく、同年齢のパイロットの少女達や登場するすべての大人もそれぞれ問題を抱えていて、過去のトラウマみたいのを引きずりながら、毎日葛藤して生きており、それが事細かに描かれる。

 テーマがとても深刻なので、ロボットアニメを見てスカッと爽快な気分になろうという人には向いていない。人生を見直したい人にはもってこいだが、うつ病の気がある人には逆効果かもしれない。

 そして、最終話は放送当時も議論を醸し出したが、ほとんど通常のアニメの映像がなく、絵コンテなどを使って、各登場人物の内面を描き出すという斬新的な作り。12年前に初めて見た時もショックを受けたが、やはり今回も驚いた。ただ、年齢を重ねて30代半ばになったことで、そこで語られている内容をより深く理解できた気がする。

 最後の最後で主人公は自分を好きになること、ありのままの自分でいいことを発見する。そして、そのことに対して他の登場人物達から祝福の言葉を受け突然終わる。主人公の心理的な面に関しては1つの結論が出て解決しているのかもしれないが、全編を通じて提示された謎は何も解決されていない。

 1つの物語として何も完結していないところがすごい。推理探偵ものの番組で喩えれば、不可解な殺人の謎だけを提示されて、主人公が犯人を言い当てずに終わってしまったようなものだ。作り手はすごいいい加減だ。このテレビシリーズ終了後に、完結編として映画版が2つ製作されたが、そこでも謎は解かれず。

 昨日のブログでも書いたが、いい作品は何度でも見るべし。それは本に限らない。映画でも、歌でも、ドラマでも、何でも何度も繰り返し見たほうがいい。ただし、作品は選ばないと駄目だ。殺人を肯定するようなものを見ていたりすると、本当にそういう思考回路になってしまう。いいものを見るべきである。

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