1998年、JICA青年ボランティアという制度でブラジルに赴任した。
当時は隣国研修という名の下に、任期期間3年の中間の時期、南米諸国を視察(旅行)して回ることができた。
その視察に対して、900ドルだが、1000ドルだが忘れたが、JICAから補助金が出たのだ。
同期はアルゼンチン・ボリビア・ペルーなど隣国に旅行していたが、僕はまだポルトガル語もそれほど話せなかったので、ブラジル国内にいる同期の赴任地を見て回ることにした。
この隣国研修で行ったのが、ブラジル北部と北東部であった。
記憶が確かではないが、恐らく2000年の1月か2月だったと思う。
訪れた場所は、マナウス、ベレーン、サンターレン、トメアス、フォルタレーザ、マセヨ、ナタル、レシフェ、オリンダ、フェルナンドジノローニャ。
2、3週間位でこれらの都市を駆け足で回った。従って、それぞれの町は2、3日程度しか滞在していない。
当時はインターネットもまだ黎明期で、情報源も地球の歩き方というガイドブックのみ。行き当たりばったりで旅行を敢行した。
ポルトガル語もまだ初心者だったので、方言とかも分からないし、ブラジルの各地方における地元文化なども全く理解できない状況であった。
あれから21年という時を経て、パンデミックで1日平均1000人以上の死者がいる状況下、今月初め、今回は恋人ともにブラジル北東部の地を再訪した。
21年ぶりの北東部。はっきり言って、前回この地を訪れた記憶はほとんど消し去られている。
まず何よりも驚かされたのが、海の美しさ。本当に海が青い。いわゆるエメラルドグリーンってやつ。
旅行前に写真でチェックしていたので分かってはいたが、自分の目で実際に海岸を見ると本当にその美しさに圧倒され、感嘆のため息しか出てこない。
綺麗すぎる。
今回の旅行は7泊8日だったのだが、この期間中に6,7つの海岸を訪れた。
どこも本当に綺麗だ。
レシフェから60キロメートル離れたポルト・デ・ガリーニャは10数年連続でブラジル1美しい海岸に選ばれた町である。
今回は時間もなかったので、そこにUBERで行った。
干潮時になると、潮が引いて、水深が浅くなり、サンゴ礁が忽然と現れる。僕らはそこへ掘っ建て船で渡り、サンゴ礁を観察した後、その近くの海の中で魚と戯れた。
本当に世界レベルの海岸だ。
僕らは隣の州のパライバ州の州都ジョアン・ペソアにもバスでレシフェから行った。
地元民が推薦する穴場のコケリーニョ海岸にもUBERで50分ほどかけて行った。
海がめっちゃきれい。何だかカリブのビーチにいるみたいだ。
また、州都ジョアン・ペソアでは、干潮時に海の中に突然「島」が現れるツアーにも参加した。
中型の船でほかの旅行客と一緒に現地に赴く。
干潮時が7時半と早かったため、朝6時にはバスに乗り込んだ。
そこで3時間ほど過ごすと、潮が満ち、「島」は海の中へと消えていった。
干潮時の海の中のサンゴ礁も「島」も人生初体験。
忘れられない一生の思い出となった。
また、21年前は気づかなかったが、今回は自分自身がポルトガル語も上級レベルになっているので、現地の人の訛りをもろに感じた。
人によっては何を言っているのか、あまり分からない場合もあった。
あと前回に続き気づいたのが、貧富の格差。
高級アパートの隣に、掘っ立て小屋が建ち、貧困層の人が住んでいる。また、広場などにはホームレスが寝ていたりする。
僕が住むポルトアレグレも貧困街はもちろんあるのだが、貧困街は比較的固まって一定の場所にあり、レシフェのように高級アパートのすぐ横にあったりすることは稀である。
今回パンデミックのために、国内旅行を選び、その候補先としてブラジル北東部を選んだが、ブラジル滞在23年にして、再び北東部を訪れることができ、改めてブラジルの国の良さ、懐の深さを確認できたのは大きな収穫だったのかなと思う。
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