日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

「JIN-仁」

2009年11月12日 07時00分29秒 | 日本事情
 「JIN-仁」というドラマを見ている。ドラマを選ぶ時、いつも視聴率を参考にして見ている。通常、ドラマは初回の視聴率が一番高く、2話目は視聴率が下がる傾向が強い。しかし、この仁というドラマは2話目の視聴率が横這いで、3話目以降は何と視聴率が上がってきている。

 このドラマの原作者を見てびっくり。「村上もとか」。どこかで聞いたことがある名前だなあと思っていたら、何とあの熱血青春剣道漫画の「六三四の剣」の作者であった。僕は小学校・中学校と剣道を7年間習っていたが、僕がちょうど小学校6年生の頃に、この漫画がアニメ化された。そして、毎週欠かさずその放送を見て、自分を奮起して稽古に励んでいた覚えがある。

 村上もとか先生はまだ漫画を描き続けていたんだなあと思うとすごい感慨深い。あの頃の絵柄と比べるとタッチが随分変わっているが、もちろん六三四の剣を思い出させる雰囲気はまだ残っている。

 漫画が1発か2発当たり、その後漫画業界から消える漫画家が多い中、あれから25年経っても漫画がドラマ化されているというのは一線で活躍している証拠であり、凄いことである。

 漫画家は1発当てると、大金持ちになり、漫画を描くモチベーションも下がる。また、一つの漫画をあまりにも長く続けると、その作品のイメージが染み付いてしまい、他の作品が書けなくなってしまう。だから、様々なテーマを扱い、それがヒットする漫画家というのは正直尊敬する。

 多様なテーマを持った作品で複数の漫画で成功しており、且つ僕が好きで尊敬している漫画家と言えば、「YAWARA」、「MASTERキートン」、「Monster」、「20世紀少年」の浦沢直樹、「頑張れ元気」「おーい、竜馬!」「あずみ」の小山ゆう、「三国志」「鉄人28号」の横山光輝、「あしたのジョー」「あした天気になあれ」のちばてつやなどである。

 現在日本のドラマは漫画を原作としたものが多いが、日本の優秀なストーリーテラーが小説家などの文筆業から漫画家にその活動の場を移してきているような気がする。

 漫画雑誌の売り上げが落ち込み、漫画家が作品を発表できる場が少なくなっているとの記事を読んだが、漫画は世界に誇れる日本独特のエンターテイメントであり、情報発信手段の1つである。是非とも、優秀な日本人漫画家に面白くてためになる、読者が感銘を受けるような作品を生み出し続けてほしいと願うばかりだ。

 そのためには、日本人は漫画を実際に買って、読むべきである。漫画が売れて、注目されれば、それだけ全体的レベルもアップするし、いい作品も出てくるからだ。そして、いい漫画に限らず、いい小説もどんどん読むべきだと思う。漫画、小説、ゲーム、映画。そのメディアにとらわれず、いい作品はどんどん味わっていくべきである。優秀なクリエイターは、いい作品に感化されて、ほかのジャンルにおいてもいい作品を作っていくと思うから。

 話を「JIN-仁」に戻す。そのストーリーは、医師である主人公の南方が、突然幕末にタイムスリップする。そして、その当時にはなかった現代医療技術を用いて、幕末の時代の患者たちを治療していくという話だ。

 最初は、その時代になかった医療を用いることは、本来は生き続けられない人々の運命を変えてしまうことで、未来を変えてしまう可能性があることから医療活動に躊躇していた。しかし、徐々に自分の持てる知識をフルに使って医療活動を続けることが、未来の医療をさらに進歩したものへと導けるのではとの結論に達し、幕末の時代の人々と協力して医療活動に邁進し始める。

 ドラマはまだ中盤で、これからのストーリー展開が楽しみである。

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