
青空文庫というサイトを発見した。
既に著作権が切れた作品を無料でダウンロードできるインターネット上の電子図書館である。
サイト上にある作品は、夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介など、明治時代の文豪から昭和初期の作家など、古い文学作品が中心であり、現代の文芸作品を読みたい読者の要求には残念ながら答えられていない。
でも、日本の文学史上において歴代の名作を無料で読めるのは素晴らしいことである。
子供時代、僕は本を全く読まず、国語のテストの成績がいつも悪かったことから、興味もない明治時代の文豪の文学作品を無理やり読まされた。でも、国語の成績が良くなることはなかった。
人間はすべてにおいてそうだが、したくないことを強制的にやらされても、その人の能力は伸びない。本人がやりたいこと、得意な事をやらせた方が、その人の能力は伸びると思う。
ただ、小学生だった当時、僕はファミコンやアニメなどに心を奪われ、本などには目もくれなかった訳だから、明治の文豪の作品じゃなくても、恐らく本は読まなかったと思う。
でも、ゲームやアニメに全く興味がなくなった今は、逆に読書の方に魅力を感じる。作品を通じて、ストーリーをイメージしたり、未知の語彙や言い回しに触れたり、新しい知識を獲得したり、読書は知性欲を満たしてくれるのである。
僕は早速、SMOOPYという青空文庫形式対応のテキスト文章縦書きビュアソフトをダウンロードし、夏目漱石の「坊ちゃん」を読んでみた。
縦書きで、振り仮名も付いて、ちゃんと読める。夏目漱石の独特の言い回しが胸に懐かしく響く。
パソコン上で文学作品を読むことに違和感を感じるが、一旦慣れてしまえば、案外いけるのかもしれない。
キンドルやIPADなどの電子書籍を読むための端末が発売され、今年は電子書籍元年だと言われている。
新書は有料だが、こういった著作権が切れた作品は無料となっている。本当に優秀な人は読書の虫として、これらの作品群をバンバン読みこなし、さらに優秀な人になっていくのかもしれない。
そうすると、ゲームにのめり込んだ子供と文芸作品にのめり込んだ子供の学力の格差はさらに広がる。そして、それは最終的には成人後の社会格差にもつながっていく。
でも、逆に言えば、経済的に恵まれない立場にいても、こういった無料サービスを利用して、学力・知識を身につけて行けば、将来豊かな生活を送ることも可能だとも言える。
技術を活かすも殺すも、本人の使い方次第ということか。

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