まちのちいさな仕立て屋さん

仕立て屋暦50余年 結来の日々の雑記

音をたてて落ちた大粒の涙

2018年08月05日 | 日記

原爆投下から73年が経ちます。

いつもこの時期に思い出す あの方 、今はどうしておいででしょうか・・・・・。
私は洋裁学校を出て、近くの方や知り合いの方の洋服の仕立てをしていました。

近くの電気屋さんにお勤めのぽっちゃりとした可愛いお姉さんが
おいででした。  気さくで朗らかな方でした。

暑い夏だったと思います。
その方は何時も長袖の洋服を着ておいででした。左だったか右だったか思い出せませんが
何時も片方は袖を伸ばして着ておられました。

その方に頼まれ洋服の仕立てをしました。
仮縫いの時その理由がわかりました。仮縫いの為 私が下を向いていると
突然大きな音を立てて 目の前に大粒の涙が  ボタ! 畳の上に落ちてきました。

その方は片方の腕に原爆によるひどい傷があったのです。
お顔にも少し火傷の跡が有り原爆によるキズだと分かっていましたが
その時どれほど心に傷を受けて毎日を過ごしておいでだったか
改めて知りました。

私が子供の頃は顔や身体に原爆によるキズがある人をよく
見かけていました。 
子供ご心にお気の毒でまともに見ることはできませんでした。

当時を知る人達も今は、段々少なくなって来ました。

私も父を戦争で亡くし 父の事は何も思い出はありません。

こんな悲しい戦争は二度とあってはなりません。

 




 

 

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