インド最南端の町カニャークマリにコモリン岬はある。
ベンガル湾、インド洋、アラビア海と三つの海が交わる場所、
インド人にとっても有名な観光名所。
コダイカナルへ向かう途中に立ち寄っただけの私は、何も知らずに、普通の宿に泊まった。
翌朝、ドアを叩く音や、何やら叫んでいる声、太鼓を鳴らしているよう、
何事か?火事か?とにかく外へ出る、パニックにはなっていない様子。
宿の主が何か言っているので、とにかく屋上へ出た。
夜明け前なのに、屋上にも海岸にも多くの人が出ていた。
日の出を見る為に、皆ここへ来ていると分かった。
太陽が海から昇り、海に沈む、唯一の場所と知られ、インド人にとっては巡礼地でもあった。
そんな訳で、私も有難く、朝陽を拝みました。
岬から、ちょっと離れた岩に浮かぶ寺院があり、ここも巡礼者が行く。
私もせっかくだからと行って見た。
インドの宗教家スワーミー・ヴィヴェーカーナンダーが、
1893年12月24日に、海を渡り、この岩で3日間瞑想した。
それで記念の岩となり、寺院になって、瞑想もできる場所もあった。
私はそこの、土産物売り場で、この写真を購入した。
私は、何故かこの写真に魅せられた。
彼女が誰なのか、知らなかった。
ただ、旅をしながら、時々、この写真を見ると、心が落ち着いた。
このインド紀行を書き始めて、初めて、彼女の事を知り、何故、私が魅せられたのか、
今なら分かるように思うので、不思議ですね。
彼女はサーラダー・デーヴィー、インドの宗教家、霊性指導者のラーマクリシュナのパートナーです。
ヴィヴェーカーナンダーがラーマクリシュナの弟子なので、彼女の写真が売られていたのです。
彼女は生涯をクリシュナの教えの為に捧げ、弟子達にも尽くしたようです。
誕生日が私と2日違い、何だか考えてしまいます。
そもそも、インドへ旅する人は、何かの教えを求めたり、
哲学的に考えたり、思想を深めたい人が多く、ビートルズもそうでした。
ツレもそうでしたが、私のように、ただ、何となくインドへ行ってしまった者にとっては、
インドの価値がわからなかったのかもしれない。
あれから、30年ツレと一緒に過ごし、個人的にも社会も様々な事がありましたが、
ツレの思想はいつしか私の思想になっています。
彼は、多くの宗教家や思想の本を読み、自分なりの哲学を持っています。
特定の宗教に拘りませんが、基本的には仏教心なのかと思います。
親鸞の教えだったり、岡倉天心の心だったり、
東洋的なマインドと、西洋的な技、和魂洋才のような信念を持っています。
落合陽一さんと共有できる文化が多いのも、似たような思考なので頷けます。
彼はコンセプトアーティストなので、何かを残す人ではないし、
それを職業にする気もありませんが、私は彼に何かを感じた、外人を何人も見て来ました。
ツレとの出会いは、深いえんだと今は思います。
インド紀行を書いたのも、今後の自分を知りたかったのかなと。
今年の末に還暦を迎え、変わるだろう私の生活は、編み物を通して、
時代の移り変わりや価値観を、文化を共有しながら共に考えて行きたい。
多様性や繋がる意味を、一緒に試行錯誤して行くのが、私の仕事のようです。
ケープコモリンへ行った意味を、今頃になって感じてますが、長くなりました。
読んで頂けたなら、感謝です。
またバスで、マドライに向かいます。
続く
追記 今日と明日、11時から18時まで、箕面市のミカリギャラリーと同じ敷地内
雑貨 縁・小屋で雪姫鳥shopをオープンします。
暑い時ですが、お出かけのついでにお立ち寄り頂ければ、嬉しいです。
箕面駅から徒歩5分位で、カフェもあります。