インド神話ではパールヴァティーとドゥルーガとカーリーは三位一体なので、話の流れから「戦いの女神カーリー」ことリタ-メイの成長過程も一緒に振り返っておきます。
まずは現代の日本に伝わっているカーリーの性格についてですが、ここでは自分の中の恐れや貪欲などの煩悩を切り捨てるコトで、パワフルに覚醒した女神とされています。
リタの両親は貧しい農民で、多くのインド農民と同じく農産コングロマリットや金貸しなどに搾取され、土地を失い大都市のスラムに流れ込みます。
両親は優しい性格だったので、世界最大のボンベイ-スラムでの過酷な生存競争には生き残れず、リタは幼くして孤児となります。
リタが入れられた孤児院はマフィア経営の酷いモノで、虐待や人身売買は日常茶飯事だったので、彼女は生きるタメに強くなる必要がありました。
そんなリタは5歳年上の同じ境遇の女子に弟子入りし、彼女から合気道を習って最初の「覚醒」を果たします。
この世界最大のスラムでのリタの活躍はいつか詳しく描こうと思いますが、ここでは「スラム四天王」を3分足らずで再起不能にした「伝説的な戦い」について補足します。
スラムのボスだった巨体レスラーは、1/5の体重のリタに「入身投げ」で投げられて首から落ち半身不随になりますが、その後車椅子に乗った彼は障害者スポーツで活躍して、熱烈なカーリーのサポーターとなります。
これはもう「信者」と言ったレベルで、彼の様に「戦いの女神」を信仰するインド人は、女性よりもむしろ男性の方が多かったとします。
これはリタが可愛い女の子だったからでもあり、女子で世界最強を目指すその潔さに感動したからでした。
そんなリタは秀祥(シューシャン)に見い出されてSFF(スペシャル-フロンティア-フォース)に入隊し、「メーヴェ(風の谷のナウシカ)」パイロットとしての才能を発揮すると共に、秀祥から特別に目を掛けられて愛弟子になります。
「カーリーの覚醒」は文武両道なモノとなり、リタは「メーヴェの使者」としてモンゴル草原のパールのキャラバンに派遣されます。
そこでリタは匿われているウイグル人女性達に合気道を教え、パールの孤児院(敦煌から移った)も手伝って絆を確かなモノとします。
こうしてSFFと「女子革命突撃隊」は連帯して革命を戦う様になり、カーリーはその最前線で大活躍します。
これについては「#神駆」で前に描きましたが、一番最近の「神駆」を少しだけ振り返って締めとします。
これは3分足らずの内に、5km離れた2つの狙撃部隊を降伏させ、虐殺が許可された装甲ヘリを不時着させる大活躍でした。
これには催涙弾とペンキ球が使われますが、ナウシカの様に色物銃は使わず、手で投げるスタイルとします。
これは荷物を極力減らして身軽に飛び回るタメですが、それ以上にペンキ入りのゴム球を銃で発射するのは無理があるからです。
メーヴェは自動操縦できるので手放しで良く、スローイングで重心が狂っても自動制御するとします。
こうして党(ドン)が絶対に失敗しないよう図ったルーガ暗殺計画は失敗に終わり、「戦いの女神カーリー」は空の色と同化して見えなくなる高度を無音で旋回しながらそれを見届けます。