社会福祉を考える会 ユメこえ

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ON HOME6

2010-07-01 13:29:01 | ON HOME
「なんだと?」

言われて、一同目線を絵画と、まわりの様子を交互にみる。

一番近くで、確認するその眼光は鋭い。

しかし、右の眼は眼鏡をかけていた。

瞳孔の動きが弱い。右の眼はあまり見えていないのか。

「そんな訳が…」

悔しそうな声が漏れる。

あと少しで手に入れられるべき標的が、偽物とは。

警部とワトソンも、顔を見合す。

「私は探偵ですから、あなたを捕まえようとは思いません。

標的を守ることが使命ですから。」

よゆうの表情と、声で続ける。

「本物は今頃、もっと明るく、警官に囲まれて、警備させていますよ」

それを聞くと、諦めなのか、感嘆なのか、

薄笑いを浮かべた。

「さすがは君だ、ホームズ。」

名を口にする。

そして、視線を送る。

最近は、彼の扱った事件が記事にもなり、ホームズの名も、

有名になりつつあった。

だから、犯罪者がその名を知っていてもおかしくはない。

しかし、

「君の人並みはずれた素晴らしさは変わっていないな。」

こう言葉を放つ。

一同、言葉の意味を問いただそうと思った瞬間、

彼はまた素早く天窓へと、その身を移した。

捕まえるどころか、その姿を確認するのがやっとだ。

手を触れることすら、出来ない。

うかがえぬその表情は、一体どんなであっただろうか。

「今日は君に敬意を表そう。私の名はジェームス・モリアーティだ。」

言葉と共に、その姿は消える。

あとには月明かりが残された。

もうその姿を見ることは出来ない。

しばらく、3人はだまったまま、天窓から目を放せずにいた。


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