和貴の『 以 和 為 貴 』

【論語 二十七日目】 回や愚ならず


回(かい)や愚ならず


「子 曰わく、吾回と言う。終日違わざること愚かなるが如し。退いてその私を省みれば、亦以て発するに足りる。回や愚ならず。 」


■その意味は?

私は顔回(がんかい)と一日中話しをしても彼はおとなしく聞いていて、まるで馬鹿のようだ。ところが彼の私生活を見ると、かえって私が教えられることが多い。回は決して馬鹿ではない。

(「論語」一日一言より)



■感想

孔子(先生)と顔回の語りの一部である。(国民学校国語教科書「初等科国語」より)
  
孔子は答へた。
 
「細工のうまい大工が、必ず人にほめられるときまつてはゐない。ほめられないからといつて、手かげんするのが果してよい大工だらうか。君子も同じことだ。道の修つた者が、必ず人に用ひられるとはきまつてゐない。といつて手かげんをしたら、人に用ひられるためには、道はどうでもよいといふことになりはしないか。」

顔回は師を慰めるやうにいつた。
 
「世の中に容れられないといふことは、何でもありません。今の亂れた世に容れられなければこそ、ほんたうに先生の大きいことがわかります。道を修めないのは君子の恥でございますが、君子を容れないのは世の中の恥でございます。」

このことばが、孔子をどんなに滿足させたことか。


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