論語を現代語訳してみました。
学而 第一
《原文》
子曰、道千乘之國、敬事而信、節用而愛人、使民以時。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、千乗〔せんじょう〕の国を道〔みちび〕くには、事〔こと〕を敬〔けい〕して信、用〔よう〕を節〔せつ〕して人を愛し、民〔たみ〕を使うに時〔とき〕を以〔もっ〕てす。
《現代語訳》
孔先生がニッコリ笑みを浮かべられ、曾〔そう〕先生のお尋ねに対して、次のようにお答えになられました。
大きな国の政治を担当するときには、次の三つのことが必要とされているんだよ。
ひとつは、お国のお仕事をされている人たちは、わたしたち国民が、安心して生活ができるように、真面目にお仕事に取り組まないといけません。
ふたつは、お国のお仕事をされている人たちは、お金や品物に、目が眩〔くら〕んではいけません。国民のことを一番に想い、お仕事に取り組まないといけません。
みっつは、お国のお仕事をされている人たちは、国民から租税〔そぜい〕の取り立てや投票などのお願いをするときは、そのタイミングや時期、季節を選ばないといけません、と。
〈つづく〉
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳については、同出典本と伊與田學氏の『論語 一日一言』から参考としている
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ イラストは『かわいいフリー素材集 いらすとや』さんより