論語を現代語訳してみました。
学而 第一
《原文》
有子曰、信近於義、言可復也。恭近於禮、遠恥辱也。因不失其親、亦可宗也。
《翻訳》
有子〔ゆうし〕 曰〔い〕わく、信〔しん〕 義〔ぎ〕に近ければ、言〔げん〕復〔ふ〕む可〔べ〕し。恭〔きょう〕 礼〔れい〕に近ければ、恥辱〔ちじょく〕に遠〔とお〕ざかる。因〔よ〕ること、其〔そ〕の親〔しん〕を失わざれば、亦〔また〕 宗〔たっと〕ぶ可し。
有子〔ゆうし〕 曰〔い〕わく、信〔しん〕 義〔ぎ〕に近ければ、言〔げん〕復〔ふ〕む可〔べ〕し。恭〔きょう〕 礼〔れい〕に近ければ、恥辱〔ちじょく〕に遠〔とお〕ざかる。因〔よ〕ること、其〔そ〕の親〔しん〕を失わざれば、亦〔また〕 宗〔たっと〕ぶ可し。
《現代語訳》
有若〔ゆうじゃく〕先生がまた、次のように述べられました。
亡き父母との約束を守ろうとするときは、それが人の道(道義)に反しないものであれば、その家代々の、『いいつけ』として、語り継いでいこうとする心が大事です。
また、三年の喪に服したのちも、亡き父母の友人や知人に対して、丁寧な気持ちで接してさえいれば、父母に恥を欠かすこともなく、その威厳〔いげん〕を保つこともできます。
ただし、丁寧すぎると、かえって相手方への、親しみの心が失われることもあります。なにごとも、節度をわきまえた、和〔なご〕やかさが大事なんですよ、と。
丁寧すぎてもいけないし、和やかすぎてもいけない。
〈つづく〉
※ 関連ブログ 信義に近ければ、言復むべし
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳については、同出典本と伊與田學氏の『論語 一日一言』から参考としている
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ イラストは『かわいいフリー素材集 いらすとや』さんより