和貴の『 以 和 為 貴 』

世界人間責任宣言 2

1.人間の責任に関する世界宣言

(2)世界宗教指導者と政治家との会議
  
人権侵害の問題にはいろいろの側面があり、複雑な背景、理由があるが、OBサミットはその中で、次第に倫理的な背景に特に焦点をあてて検討が進められた。OBサミットの提唱者、福田赳夫元首相は、人口問題をはじめ、人類が直面している深刻な諸問題と真剣に取り組むためには、倫理的な側面に考慮を払うことが不可欠であるとの確信を次第に強め、同氏のイニシアティブで、1987年、ローマで世界の宗教指導者を集めたOBサミットのメンバーとの会合が開かれた。

このローマ会議は、世界の政治指導者と五大宗教の指導者が一同に会した近代史上初めての試みと言われた。仏教、イスラム教、ヒンズー教、ユダヤ教、キリスト教の聖職者が日本(福田赳夫元首相)、西ドイツ(シュミット元首相)、ナイジェリア(オバサンジョ元大統領)、コロンビア(ボレロ元大統領)、オーストラリア(フレーザー元首相)など全世界から集まった7カ国の政治家と二日間に亘って真剣な議論を福田議長の下で重ねたのである。

この会議の画期的なことは、討議を通じて達した共通認識、合意を「世界的な諸問題に関する声明」と題して世界に公表したことである。

この声明は、「近代史上初めて、インターアクション・カウンシルの招請により、世界全大陸の政治指導者と五大宗教の指導者がローマで会談した。二日間にわたり出席者は世界平和、国際経済および相互に関連する開発、人口、環境問題について話し合った。」との記述から始まっている。

平和の問題に関しては、「現在軍備競争に向けられている科学的、技術的資源と能力は、人類の生存と幸福を脅かしている全世界的な問題を解決するために使われるべきである。」との共通認識を述べ、オゾン層減少の調査推進、生物の継続的減少の防止、生物圏への脅威に対抗する手段など具体的問題にも言及している。

世界経済については債務危機問題を取り上げ、「いかなる政府もいかなる国民に対しても人間の品位を奪うような窮乏を要求することは道徳的にできない。」と明言し、極貧国の債務削減問題に真剣に取り組むことを求めた。

もっとも画期的なことは、「家族計画政策と手段に対する各宗派のアプローチの違いを認識しながらも、指導者たちは、現在の動向から見て効果的な家族計画の追及は避けられないとの合意に達した。いくつかの国と宗派で持たれた積極的な経験は共有されるべきであり、家族計画のための科学的研究が急がれる必要がある。」と明言されたことである。

シュミット元首相は、「世界中から集まった五大宗教の聖職者達が、政治家とともに家族計画の重要性を認めたことは素晴らしい。」前進と会議を総括した。

↓↓モチベーション維持にご協力お願い致します。m(_ _)m

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「人権」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事