適(てき)も無く、莫(ばく)も無し
「子曰わく、君子の天下に於けるや、適も無く、莫も無し。義に之れ與(とも)に比(したが)う。」
■その意味は?
① 君子が政治にあたるときには、ぜひともこうしなければならないと固執することもなく、絶対にこれはしないと頑張ることもない。ただ道理に従っていくだけだ。
(「論語」一日一言より)
② 教養人の世におけるありかたは〔公平であり〕、一方的な肯定(適)もなければ、一方的な否定(莫)もない。ただ筋の通ったこと(義)、それに従うまでだ。
(加地伸行全訳注「論語」より)
■感想
敗戦後、不公平・不道理がまかり通ってしまう世になって久しいわけであるが、こうした世が永く続けば、いずれ大きな争いへと発展することは、歴史をみれば明らかである。
押し付けられた "正義" 、押し付けられた "悪" に翻弄されることもなく、ただただ人間らしく、日本人らしくありたいものである。